2030年問題/「運転」と「荷役」の切り替えを業界標準作業へ「にやっぷ普及委員会」発足

2026年07月17日 11:02 / 労務

🎧 この記事を音声で聴く

にやっぷ普及委員会(代表:齊藤由加里、事務局:五興運輸)が7月17日、発足した。

20260717nieki1 - 2030年問題/「運転」と「荷役」の切り替えを業界標準作業へ「にやっぷ普及委員会」発足

にやっぷ普及委員会の齊藤由加理代表

トラックドライバーの仕事は本来、荷物を安全に「届けきる」こと。しかし、物流の現場では、商慣習を背景に、本来の業務である運転に加えて「荷役」などの作業が、明確なルールのないまま現場の負担となり、ドライバーの安全は個々の注意に委ねられてきた。その結果、陸上貨物運送事業における労働災害の約7割は、荷役作業時に発生している。

さらに「2024年問題」の先には、労働人口の激減により2030年度に約25.0%の輸送力が不足すると試算される「2030年問題」が迫っており、荷役の安全は、担い手の確保と“明日届く” という社会インフラの持続性に直結する課題となっている。

委員会は、荷役の安全を「個々の現場の注意」から、業界や企業の垣根を越えた「共通の安全文化」へと発展させることを目指す。「運転」 と 「荷役」 を切り分ける考え方を定着させ、「荷役」の適正化につなげる。

その共通言語となるのが、現場から生まれた「にやっぷ」だ。トラックが荷役に入る際は、ドライバーが作業エリアを示してから降車する。こうした作業の標準化を、現場とともに推進する。

20260717nieki2 1024x869 - 2030年問題/「運転」と「荷役」の切り替えを業界標準作業へ「にやっぷ普及委員会」発足

社会には、行動や状況を周囲と共有するためのサインが数多く存在する。しかし物流の現場には、「運転」から「荷役」へ切り替わったことを示す共通のサインがない。

「にやっぷ」は、この切り替えを誰の目にも分かる形にした現場発のプレート。トラックの荷役状態が明確になれば、ドライバーと荷主はそれぞれの安全配慮を果たしやすくなり、物流の適正化を進めるきっかけにもなる。

周囲の歩行者や車両も、荷役中であることを認識し、状況に応じた行動を取りやすくなる。物流DXや共同配送が「運び方」の改革だとすれば、委員会が挑むのは、「運転」と「荷役」を切り分けるという役割分担の確立となる。委員会は「にやっぷ」の普及を通じて、荷役の安全と物流の適正化に取り組む。

発足後はクラウドファンディングと情報発信を活動の起点に、本取り組みに共感する企業・団体・関係者との連携を広げる。2030年問題が目前に迫るいま、現場発の小さな一歩から、安全性の向上と物流の適正化を進める。

現在の「にやっぷ」はプロトタイプ(試作品)。7月17日の委員会発足、翌18日からのクラウドファンディングを起点にプロトタイプを現場に届け、共創パートナーを募集。実際に使うドライバーや現場の声をもとに徹底的なフィードバックを重ね、改良を進める。あわせて、取得済みの特許に加えて出願中の商標登録を進め、知的財産の基盤を固めながら、2027年の本製品完成を目指す。

完成した「にやっぷ」を軸に全国展開を進め、「運転」から「荷役」への切り替えを見える化する新たな標準作業の定着を目指す。継続的な情報発信を通じて共感の輪を広げ、安全性の向上と物流の適正化につながる物流文化づくりに挑む。

■クラウドファンディング概要(募集サイト:CAMPFIRE)
https://camp-fire.jp/projects/view/944777

国土交通省/2030年度で最大約25%の輸送力不足「最大26ポイント程度」の輸送力確保が急務

トラックニュースはトラックに関するB2B専門の
ニュースを平日毎朝メール配信しています

メルマガ無料登録はこちら

労務 に関する最新ニュース

一覧

最新ニュース

一覧