関東運輸局/澤井新局長「値上げの理由には物流費がある。物流事業者も理論武装を」

2026年09月16日 15:20 / 経営

関東運輸局の澤井俊局長は9月16日、局長就任会見を開催した。会見の中で澤井局長は、さまざまな商品が値上げする中で、値上げの理由に必ず物流費が含まれていることに着目し、物流費が上がっているならば、運賃・料金交渉において、0%の上げ率はあり得ない、物流事業者も理論武装をした方がよい、と物流事業者に対してエールを送った。

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澤井局長

澤井局長は2022年1月~2023年6月、経済産業省大臣官房審議官(商務・サービス担当)として、2024年問題について荷主企業側から対応をした経験がある。会見では、経済産業省で実際に荷主企業から上げられた声も踏まえて、厳しさを増す物流業界の改善につながる視点を語った。

澤井局長は、「商品の値上げの理由をみると、必ず人件費、物流費、材料費と書いてある。だから物流費は上げているはずだ。しかし、なぜ自分(物流事業者)のところまでまわってこないのか?それは、物流費を言い訳にしている可能性がある。だから、交渉する時に物流費を出すべきだ。物流費の割合を出している(荷主)企業は結構ある。だから、自分たちにもちゃんと還元してほしいと交渉していただきたい」と述べた。

その上で、「B2Bの世界には、企業物価があり、企業同士のやり取りの物価上昇率がいまは6%、7%と上がっている。物流だけ企業物価の上昇率が低いのはおかしい。他産業並みにちゃんと上げてほしいという交渉があると思う。荷主側にも物流費が上がっているという認識はある。荷主も物流費が上がっていないのであれば、どこかおかしいという意識もある。物流費の割合を出している企業はかなりあるので、それなりに理論武装をしてほしい」と語った。

■荷主企業の最大の懸念は「サプライチェーンの断絶」

また、物流の2024年問題を受けた荷主企業の最大の懸念点を聞いたところ、澤井局長は「懸念点は明確で、特にメーカーが該当するが、サプライチェーンが切られることが恐怖となっている」と指摘。生産ライン停止による生産効率の低下、販売低迷などを懸念して、サプライチェーンの維持にかなり気を使っている実情を説明した。「トラックがないから運べませんと言われてしまうことが恐怖だ。極端なことを言うと、(物流を)止めるくらいなら、お金をかけてでも運びたいのが本音だ。物流事業者も、物流を止めないために、場合によっては投資をして効率化するとか、待遇を改善して人を確保するとか、そういったことをやれば荷主企業も理解してくれる。お金をかけるべきところにはお金をかける。運べなくなる事態が生じないように、荷主も理解が変化している」と付け加えた。

急激な法改正による荷主企業への規制強化については、荷主に負担感はあるが、2024年問題を受け、荷主企業に物流の実情が伝わったとし、「まともな荷主であればちゃんと(物流改善の)必要性は理解している」との見解を示した。一方で、自分は何も努力せずに、いろいろなことが効率化されることにフリーライドする事業者の存在もあり、そうした企業をどう規制するのか議論があった、と2023年当時を振り返った。

その中で、2024年問題に対する省庁連携の取組として、有識者を招いた勉強会を開く際に、経済産業省と国土交通省が一緒になって会を開催したエピソードを紹介。「局長以下の担当者も出席し、それぞれの推薦人を出し、政策立案過程を一緒にやった。これまでは政策立案はそれぞれが別にやり、最後にガッチャンコしていたが、そうした過程が一切なく、政策立案の最初の段階から、共にディスカッションし、お互いに意見交換しながらやったことがいい連携になった。これは、いまもやっていると思うし、できると思う」と語った。

※趣味は特になく、あえて言えば子育て。妻も同業のため、子どもが生まれてからは、子どもの世話をし、夕食を作るのが役目という。また、健康を考え、走ったりジムに通う。万歩計では、1日平均で1万6000歩程度を歩いている。かつては釣りを趣味としていたが、子育てに伴い足を洗ったという。

関東運輸局/改正物流効率化法「特定事業者」の届出、5月末以降も受付対応

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