中国運輸局/トラックGメン創設2年、要請9件・働きかけ120件
2025年08月01日 10:00 / 労務
中国運輸局は7月31日、「トラック・物流Gメン」創設2年間の活動報告を行った。トラック・物流Gメンは、継続的なトラックドライバーの高齢化、将来の人材不足を改善し、物流を継続するため、荷主の監視強化、是正指導を役割として2023年7月22日に創設された。
具体的な業務としては、「プッシュ型の情報収集」によって、改善すべき荷主・元請トラック事業者(荷主等)の拠点や営業所、改善事項の情報を収集し、「働きかけ」や「要請」、「勧告・事業者名公表」という手段によって「是正指導」を行っている。
2023年7月22日~2025年7月18日の中国運輸局における是正指導(働きかけ、要請)件数は、要請9件、働きかけ120件だった。要請の内訳は、荷主4、元請5、働きかけの内訳は、荷主69、元請50、その他1となった。
トラック事業者からの申告内容として、ほぼ毎日3時間以上の荷待ちが発生しているなどの「長時間の荷待ち」、交渉には応じてもらえたものの、結果として交渉を断念せざるを得ない状況に追い込まれたといった「運賃・料金等の不当な据え置き」、警報で出ている状況で、運送停止を相談したが聞き入れてもらえなかった「異常気象時の運送依頼」があった。
これを受け、元請けに、働きかけを行ったところ、荷待ちでは時間指定、荷卸し時間予約制導入が進んだ。運賃では、運賃上昇の根拠となる資料(公表資料)の提示で可能としたほか、社内予算確保や積極的アプローチ(相談窓口設置)ができた。気象では、国交省が整理した運行の目安を荷主と共有、ドライバーの安全第一で運行するようになった。
また、運賃・料金等の不当な据え置き・長年「標準的運賃」の5割以下の水準で運賃を据え置かれている。運賃交渉を持ちかけても「無理」の一点張りで交渉の場につこうとしない。メールも無視、直接会おうとしてもはぐらかされ、会合の場でも避けられるといった「運賃・料金等の不当な据え置き」やストレッチフィルムによる荷物の固定等荷主側で行うべき作業を無償でやらされるなど「契約にない付帯作業」もトラック事業者から申告された。
これに対して、元請や発荷主に対して、要請を実施。発荷主と元請の情報共有を推進。協力会社からの運賃改定の要求全体の情報提供等など現状把握を進めた。また、発荷主に対して、問題の役員報告等社内共有し、組織内で共有することを求めた。さらに、発荷主に対して、付帯作業の契約見直しと料金支払いを求めたほか、運賃では、路線毎の最適化を検討し、物流予算確保に向け動くことを要請した。
是正指導のほか、物流改正法に関するオンライン説明会を開催。第1回~第24回の累計参加者数は、延べ約7900名となり、中国管内をはじめ、全国から関係者が参加した。
さらに、積極的な荷主パトロールを実施し、労働環境改善と運賃改定を呼びかけた。2023年7月21日~7月18日のパトロール先拠点数は1731カ所となった。パトロールは、基本的にアボ無しで訪問、違反原因行為の疑いがあればその場で指摘する。また、要請を受けた荷主等の改善状況確認も実施している。さらに、オンライン説明会への参加を呼びかけている。
中国運輸局トラック・物流Gメンは、人の気持ちに響く行動と説明で、荷主等の行動変容、商慣行改善による物流効率化を目指す。
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