ヤマト モビリティ&Mfg.(埼玉県川越市)は、日産車体グループのオートワークス京都(京都府宇治市)と、EVコンバージョントラックの開発支援に関する業務提携契約を締結した。日産が2021年まで生産・販売していた小型トラック「日産アトラス(F24型)」をEV化し、普通免許で運転可能なEVトラックとして市場投入を目指す。
<日産アトラス(F24型)>

この契約は、2025年9月30日に調印された「EVコンバージョントラック架装委託基本契約」に続く第2弾の提携。
今回の業務提携は、ヤマト モビリティ&Mfg.が進めるEVコンバージョン事業のさらなる成長を目指し、課題であった適用車種の拡大や技術・生産体制の強化を図るもの。オートワークス京都の高度な車体製造技術と、ヤマト モビリティ&Mfg.が持つEVコンバージョン技術を融合することで、事業基盤の強化を目指している。
<(左)オートワークス京都 内海嘉則取締役COO、(右)ヤマト モビリティ&Mfg.鈴木昭寿CEO>

ヤマト モビリティ&Mfg.はこれまで三菱ふそう「キャンター」を対象車種としたEVコンバージョン事業を展開してきたが、今回の提携により「日産アトラス(F24型)」をEV化し、市場投入する。この取り組みにより、環境負荷の低減や物流業界で課題となっているドライバー不足の解消を図り、新たなモビリティソリューションの創出を目指す。
日産アトラスEVコンバージョントラックは、京都府宇治市にあるオートワークス京都の工場で製造される予定で、2026年夏の量産開始を目指している。年間生産・販売規模は約500台を想定。
GVW3.5トン未満の軽量設計で普通免許での運転が可能となり、ディーゼル車並みの大トルク(330Nm)や1.3トン以上の積載量、小回りの良さを特徴とする。
業務提携の具体的な内容としては、日産アトラスのEV架装に関するレイアウト計画の作成や市場調査が含まれる。契約締結日は2025年11月4日で、両社は今後のEVコンバージョン事業の拡大に向けて重要な戦略的ステップと位置づけている。
日産アトラスF24型は、2007年から2021年まで販売された小型トラック。「アトラス」としては3代目になるモデルで、いすゞ「エルフ100」、三菱ふそう「キャンターガッツ」、UDトラックス「コンドル」としてもOEM供給された。製造は当初日産ディーゼル(現UDトラックス)、2011年からオートワークス京都に移管された。
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