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2023年04月27日 17:21 / 車両・用品
フラットフィールド、東京都市大学、トナミ運輸、北酸、早稲田大学アカデミックソリューションは4月27日、「既販中型重量車の水素エンジン化事業性検証プロジェクト」において、エンジン性能目標の達成と同エンジンを搭載した車両製作を完了し、走行試験を開始したと発表した。
<テストエンジン搭載トラック>
このプロジェクトは、環境省の令和3年度「水素内燃機関活用による重量車等脱炭素化実証事業」に採択され、2021年8月に始動。走行距離が長く、需要量も大きい重量車(トラック等)」の脱炭素化に向けた取り組みで、既存車両を水素エンジン車に改造し、その実用性の確保と環境性・経済性の評価を行うことを目的としている。
水素エンジンは、一般的にディーゼルエンジンと比較して出力不足が弱点となるため、その出力向上が大きな課題。そこで同プロジェクトでは、ピストンやピストンリング、水素供給系部品やカムシャフトを最適化することで、同排気量の既販ディーゼルエンジンと遜色ない性能を実現できたという。特に、積載状態の車両が登坂路や高速道路での走行を可能とするため、低速トルクと最高出力の確保を念頭に置いて開発が進められたという。
<同排気量ディーゼルエンジンとの性能曲線比較>
製作された車両は、300km以上の連続航続距離を確保するため、16 本の水素タンクを搭載したうえ、ベース車両の約7割の荷室容積を得るための最適なレイアウトを追求。構造等の変更検査にも合格し、ナンバーも取得している。2023年度内には貨物輸送を対象とした実証試験を開始し、さらに2026年度の社会実装(販売開始)を目指す。
<水素エンジン搭載重量車のレイアウト>
プロジェクトでは、フラットフィールドが車両製作、トナミ運輸が車両運用、東京都市大学がエンジン製作、北酸が水素供給、早稲田大学が各種評価を主に担当。このほかリケン、アネブル、マーレエンジンコンポーネンツジャパン、マーレエレクトリックドライブズジャパン、日本特殊陶業、エルリングクリンガーマルサン、IHI、ENEOS、大同メタル工業をはじめとする自動車産業に携わる多くの企業が協力している。
中大型トラックでは、将来的に水素燃料電池車(FCEV)が本命視されることが多いが、水素をそのまま利用できる水素エンジン車であれば既販エンジン車からの改造も最小限で可能なことから実用性も高く、今後のプロジェクト進展が大いに期待される。