東芝/世界最高精度99.9%で追跡可能なLiDAR技術を開発
2023年09月26日 15:47 / 施設・機器・IT
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東芝は9月26日、世界最高精度の99.9%で車両や人などの物体を追跡するLiDAR技術を開発したと発表した。さらにLiDARの取得データのみで、精度98.9%での物体認識を実現するとともに、耐環境性能および計測範囲の柔軟性を大幅に高めることに成功したとしている。
また、同時に「雨・霧除去アルゴリズム」を開発し、猛烈な雨・濃霧環境下での検知距離を2倍以上改善。80mm/hの猛烈な雨環境で40mの距離計測ができるという。
LiDARは、自動車の自動運転実用化のキーテクノロジーとして注目を集めているが、LiDARの測定データのみを用いてAIで物体を高精度に認識し、それを追跡することが困難で、物体を認識・追跡するためにカメラとLiDARを併用し、2次元データと3次元データを合わせて計測している。倉庫内で使用されるAGV(無人搬送車)や実証実験中の自動運転車でもLiDARとともに複数のカメラが用いられているのは、これが大きな理由となっている。
しかし、2種類のデータの空間的なずれを完全に排除することが難しく精度劣化の要因となっており、また雨・霧といった悪天候の環境下で精度が劣化したり、設置場所の制限により死角が発生したりするといった課題があった。
そのため同社では、カメラを用いずLiDARから取得するデータのみで物体の高精度な認識・追跡を実現する「2D・3DフュージョンAI」、LiDARの計測精度を劣化させる雨や霧による影響を最大限緩和できる「雨・霧除去アルゴリズム」、LiDARの距離と画角を設置場所に応じて自在に変更できる「計測範囲可変技術」を世界で初めて開発。これにより、照明のない夜間でも、車両や人を世界最高精度の98.9%で認識し99.9%で追跡することに成功、80mm/hの猛烈な雨環境においては20mから40m、視程40mの霧環境においては17mから35mと検知可能距離を従来の2倍以上に向上、画角60度(水平H)×34度(垂直V)において世界トップクラスである120mの計測距離と画角24度(水平H)×12度(垂直V)において世界最長計測距離である350mを達成している。
<従来(上)と今回(下)の2D・3DフュージョンAI>
同社は、耐環境性能のさらなる研究開発を進め、ソリッドステート式LiDARの2025年度の実用化を目指すとしている。これにより、モビリティの自動化や高精度なインフラ監視、空間のデジタルツインの構築などLiDARの活用幅が広がり、とTラックの自動運転はもちろん、スマート物流システムの高精度化など、物流業界の課題解決にも大きく期待される。
<今回開発した雨・霧除去アルゴリズムの検証結果>
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