損保協会/自動運転レベル4実用化に向け法的論点を公表
2024年07月01日 16:52 / 経営
日本損害保険協会は6月27日、報告書「自動運転(レベル4)に対する法的・実務的論点」を公表した。
各地でレベル4のトラックやバスの実証実験が計画・開始されるなど、自動運転社会が進展する中、損害保険業界では、自動運転車による事故が発生した場合に、自賠責保険および任意保険による迅速な被害者救済が図られるよう対応している。
この報告書は、自動運転が普及した社会においても、引き続き安心・安全を提供でき、納得感のある実務、および迅速な被害者救済が可能な体制の整備に貢献していくため、事故発生後の事故原因の究明や適切な責任分担を行う観点で、法的・実務的論点を整理したもの。
報告書では具体的な課題として、以下の4点を挙げている。
まず、一つ目は「自賠法において運行供用者となる者の明確化」。自動運転における責任主体として新たに想定される「特定自動運行実施者」等が、自賠法に照らし、運行供用者に該当するかどうか判然としていない。
2つ目は「不法行為責任(人損事故と物損事故の差異)」。人損事故では、運行供用者責任が維持されることにより、加害者が免責を主張する場合には自賠法に基づく立証責任を負うため、手動運転同様に被害者救済が図られる。一方、物損事故では、運転者に該当する者がいないことで誰が立証責任を負うのか責任主体が不明確となる。また、不法行為責任や製造物責任を被害者側が立証することになり、責任追及のハードルが高い。
3つ目は「製造物責任の考え方、自動運転車の安全技術ガイドラインの具体化」。製造物責任(欠陥)の立証は、引渡し時に安全措置を講じていたかどうかが問われるため、安全性の確認を簡易に検証できるよう、最低限の基準としてガイドラインの精緻化が必要としている。
4つ目は、「自動運転中の事故における事故状況調査および原因究明」。自動運転車では、保険金の支払いにあたり、事故状況調査および原因究明のため事故データが必要となる。現在レベル3までの自動運転車では、自動車メーカーから情報提供を受けるための協力体制の構築を進めており、今後その範囲をレベル4まで拡大することが必要としている。
■報告書「自動運転(レベル4)に対する法的・実務的論点」
https://www.sonpo.or.jp/news/release/2024/240627_houkokusyo.pdf
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