新明和/「廃棄物収集業務効率化システム」実証実験を開始、2030年5000台導入目指す
2025年05月28日 13:27 / 施設・機器・IT
新明和工業は5月12日、レシップ(岐阜県本巣市)と共同開発中の「廃棄物収集業務効率化システム」について、実稼働中の塵芥車を用いた実証実験を開始した。
<運転席でのデータ入力作業風景>

「廃棄物収集業務効率化システム」は、車載通信機器を取り付けた塵芥車からデータを収集し活用することで、車両の位置情報に加え、稼働情報や廃棄物の積載状態、収集履歴をリアルタイムで把握、収集日報の自動作成など、廃棄物収集業務の効率化をサポートするシステム。
<「廃棄物収集業務効率化システム」イメージ(左から車載通信機器、経路ナビゲーション、車両積載状態を含めた車両位置(遠隔)確認画面)>

塵芥車と塵芥車管理サーバー間の通信には、バスの運行管理支援で実績のあるレシップ製車載通信機器「LIVU(LECIP Intelligent Vehicle Unit)」を塵芥車に搭載し、LIVU経由で取得したデータを常時通信でサーバーに転送する仕組みを採用している。
塵芥車とバスは、決まった時間に一定のルートを走行し、決められた場所に停車するという共通点を持つ。
塵芥車では国内シェア6割の新明和工業と、バスロケーションシステムをはじめバス運行を支援するさまざまな製品・システムを提供しているレシップが、効率的かつ持続可能な廃棄物の収集運搬の実現を目指している。
実証実験では、開発中のシステムのうち完成した基本機能について、実際の塵芥車による廃棄物収集作業で検証を行う。神奈川県の一般廃棄物・産業廃棄物収集運搬事業者であるカワセイ(川崎市)の協力で実施している。
実証実験では、川崎市内で一般廃棄物収集を行う2t、3t車級の回転板式塵芥車3台を使用。回収ルート・箇所をドライバーに案内する経路ナビゲーション機能をはじめ、事務所モニターへの各車両の位置や収集状況のリアルタイム表示、オペレーターからドライバーへのメッセージ送信、各ステーションでの収集履歴記録、日報作成の自動化などの機能等を確認する。ドライバーの業務効率向上を支援するとともに、回収ルートを指示するオペレーターの業務効率向上も期待できるとしている。
2社は、2030年までに塵芥車5000台に同システム導入を目標に設定。2025年内に一連のサービスが提供できるよう、新システムの検証を行うとともに、塵芥車からの積載量や架装装置の稼働情報の取得、およびこれらのデータ管理機能等を付加したサービスの開発を進めていく。
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