物流業界の法改正/4人に1人は負担が倍増、契約業務担当者の87%が事務作業量増加(弁護士ドットコム調査)

2026年07月23日 13:49 / 経営

🎧 この記事を音声で聴く

弁護士ドットコムが実施した「物流業界における法改正対応・契約業務の実態調査」で、相次いで施行された法改正によって事務担当者の負担が増え、業務に遅延をきたしていることがわかった。

■法改正で担当者の87.0%が事務作業量が増加

2024〜2026年にかけて、物流業界では物流総合効率化法、貨物自動車運送事業法(トラック新法)、取適法(中小受託取引適正化法)の3つの法改正が相次いで施行された。書面交付義務の強化や適正原価に基づく取引の義務化など、契約業務に直結する対応が求められている。

こうした法改正を受けて、現場の事務負担や契約業務の実態を可視化するため、弁護士ドットコムは、荷主・運送事業者・倉庫業者など物流業界に従事する担当者208名への調査を実施した。調査期間は5月20日~27日で、ウェブアンケートを行った。

20260723bengoshi1 - 物流業界の法改正/4人に1人は負担が倍増、契約業務担当者の87%が事務作業量増加(弁護士ドットコム調査)

3つの法改正による社内の事務作業量はどう変化したか(出典:弁護士ドットコム)

3つの法改正によって事務作業量がどう変化したかを尋ねたところ、「増えた(大幅に増えた・増えた・やや増えた)」と回答したのは全体の87.0%。そのうち「大幅に増えた」は25.5%と4人に1人と負担が大幅に増大したケースもみられた。

20260723bengoshi2 - 物流業界の法改正/4人に1人は負担が倍増、契約業務担当者の87%が事務作業量増加(弁護士ドットコム調査)

事務負担の増加で本来やるべき業務がおくれたことがあるか(出典:弁護士ドットコム)

事務作業の増加が原因で本来業務が遅れた経験が「ある(頻繁にある・ときどきある)」と回答したのは80.7%にのぼり、事務作業の負担が現場の生産性を下げている状況が確認された。

20260723bengoshi3 1024x403 - 物流業界の法改正/4人に1人は負担が倍増、契約業務担当者の87%が事務作業量増加(弁護士ドットコム調査)

法改正によって、特に事務負担が増えた業務(出典:弁護士ドットコム)

また、業種別に事務負担が増えた業務を尋ねたところ、「発注書・契約書のフォーマット見直しと締結・保存」が、荷主側(36.3%)、運送事業者側(27.7%)と、特に負担が増えた業務として契約業務があげられた。

■契約締結は2週間以内が52.4%で最多、一方で27.4%は1か月超

負担の重い契約業務について、実際に契約締結(押印・郵送往復を含む)にかかる時間を尋ねたところ、「4週間以内」が23.6%と「1か月超」が3.8%を合わせて27.4%が、締結までに1ヶ月近くを要している。締結に長い時間を要している背景には、契約のやり取りが今も押印・郵送・対面を前提としている業務フローがあると推測される。

20260723bengoshi4 - 物流業界の法改正/4人に1人は負担が倍増、契約業務担当者の87%が事務作業量増加(弁護士ドットコム調査)

契約締結に要する時間(出典:弁護士ドットコム)

こうした業務フローの中で、契約・発注業務の実態について尋ねたところ、「契約書を後付け(バックデート)で締結することがある」が52.9%で最多となった。​さらに、「契約なしで取引継続」が38.9%、「契約書の保管場所がすぐに確認できない」が35.1%と続いた。法改正で書面化が求められる中、現場ではこうした法改正以前の商慣習が根強く残っている実態が明らかになった。

20260723bengoshi5 - 物流業界の法改正/4人に1人は負担が倍増、契約業務担当者の87%が事務作業量増加(弁護士ドットコム調査)

契約・発注業務の実態について(出典:弁護士ドットコム)

先の質問で「上記のいずれにも当てはまらない」「答えられない」と回答した人以外に、こうした商慣習に対してリスクや問題を感じているか尋ねたところ、84.5%が「感じている(強く感じている・やや感じている)」と回答した。

20260723bengoshi6 - 物流業界の法改正/4人に1人は負担が倍増、契約業務担当者の87%が事務作業量増加(弁護士ドットコム調査)

契約・発注業務にリスクや問題を感じているか(出典:弁護士ドットコム)

弁護士ドットコムは、「今回の調査結果から、相次ぐ法改正への対応に伴い、物流業界で働く大多数の人が事務作業の増加に直面し、その結果本来の業務に遅延をきたしているという深刻な実態が浮き彫りになった。また、バックデート契約や口頭発注といった、法改正以前から続く商慣習に対し、多くの方がリスクを感じながらも脱却できていない構造的な課題も明らかになった」とコメントしている。

物流業界における法改正対応・契約業務の実態調査

物流効率化法/荷主・倉庫で対応進むもトラック事業者は取組に大きな「格差」(国土交通省等調査)

トラックニュースはトラックに関するB2B専門の
ニュースを平日毎朝メール配信しています

メルマガ無料登録はこちら

経営 に関する最新ニュース

一覧

最新ニュース

一覧