ダイムラートラック、HHLA、川崎重工/欧州向け液化水素SCM構築で戦略的パートナーシップ開始

2025年10月23日 16:40 / 車両・用品

Daimler Truck、Hamburger Hafen und Logistik(HHLA)、川崎重工業は10月22日、ドイツ・ハンブルク市で開催された国際見本市「Hydrogen Technology World Expo」において、液化水素のサプライチェーン構築に関する覚書(MoU)を締結した。

<覚書を締結>
20251023hhla - ダイムラートラック、HHLA、川崎重工/欧州向け液化水素SCM構築で戦略的パートナーシップ開始

パートナーシップは、ハンブルク港を経由して欧州内陸部へ液化グリーン水素を供給する、信頼性が高く経済的なサプライチェーン構築の可能性を検討することを目的としている。

この協業により、水素生産国からドイツへの液化水素の輸入が可能となり、ハンブルクの持続可能なエネルギー物流の拠点としての地位が強化されます。3社は、今後数か月間で、液化水素運搬船で運ばれてきた水素の陸路への積み替えや道路・鉄道輸送に必要な物流要件を検証・評価する。

また、バリューチェーン全体を網羅するコンソーシアムの形成に向けて、他の企業や機関の参加も促進する。

Daimler TruckのDr. Andreas Gorbach取締役会メンバー兼トラック技術部門責任者は、 「今後も欧州はグリーンエネルギーの輸入に依存し続けるでしょう。その中で水素は重要な役割を果たす。このパートナーシップはその方向性における重要なステップであり、欧州が液化水素分野でリーダーシップを発揮するためには、こうした取り組みがさらに必要だ。特筆すべきは、当社のMercedes-Benz GenH2トラックが液化グリーン水素で走行できるだけでなく、液化水素そのものを陸路で輸送できる点にある。さらに素晴らしいのは、水素によって脱炭素化のスピードを加速できることだ。これは、すでに遅れている電力網の拡張の規模とコストを削減することにもつながる」とコメントした。

HHLAのアネッテ・ヴァルター最高財務責任者(CFO)は、「水素は気候中立な未来への鍵のひとつであり、HHLA はこの変革を主体的に形づくっていく姿勢を明確にしている。液化水素は、パイプラインに依存せずに輸送できるため、モビリティ、物流、航空、特に中小企業にとって決定的な利点となる。私たちの目標は、欧州の物流ネットワークを通じて産業界に水素を安定供給することだ。川崎重工、Daimler Truckとのパートナーシップは、液化水素の普及と脱炭素化の推進に向けた重要な一歩だ」と述べた。

川崎重工業の野村圭水素戦略本部長は、 「液化水素は、持続可能なエネルギー社会の実現に向けた重要な鍵であり、当社はその技術的基盤の構築に長年取り組んできた。今回の MoU 締結により、HHLA および Daimler Truck とともに、ハンブルク港を起点とした液化水素のサプライチェーン構築に向けた実現可能性を検討できることを大変嬉しく思う。川崎重工は、液化水素の製造・貯蔵・輸送・受入に関する技術と実績を有しており、これまで培ってきた知見を活かして、先般MoUを締結した日独5社をはじめとする 「なかま」とともに、欧州における液化水素サプライチェーンの形成に貢献する。今後も、脱炭素社会の加速に向けて、グローバルなパートナーシップのもと、液化水素の利活用拡大に取り組む」と語った。

ダイムラートラック/燃料電池トラックの夏季テストに成功、26年末から顧客での運用を開始

車両・用品 に関する最新ニュース

一覧

最新ニュース

一覧