トラック用スタッドレス「M939」試乗記【短評】/滑りやすい路面も抜群の安定感

2023年07月03日 17:27 / 車両・用品

トーヨータイヤからトラック・バス用スタッドレスタイヤの新商品「M939」が登場した。従来の「M929」登場からちょうど10年目の世代交代ということになるが、それだけに期待も大きい。この10年間で、トラックを取り巻く環境や気象も大きく変化しているからだ。

そのため、M939はコンセプトを「効き」と「持ち」の高次元での両立としている。ドカ雪でもしっかり走れる高い氷雪上性能、労働力不足に対応する摩耗性・低メンテナンス性という相反する要素を高いレベルで実現したという。まさに現代に求められるトラック用スタッドレスといえるだろう。今年2月に北海道で開催した事前試乗会で、その高い実力の一端を体感することができた。

<2月17日の試走会の様子>

20230703toyo1 1 1024x683 - トラック用スタッドレス「M939」試乗記【短評】/滑りやすい路面も抜群の安定感

 

試乗会は北海道・留寿都(ルスツ)リゾートの駐車場が会場。当日は凍り付いた路面の上に新雪が積もるという状態で、スタッドレスタイヤの実力を試すには良好なコンディションだった。その中に直線路と旋回路で構成されたコースが設定されており、それぞれ従来型のM929と新型のM939で試走。まずは直線で速度を上げてから停止して、制動性能を確認。その後8の字型の旋回性能を確認した。車両は4トントラックの日野レンジャー(2-d マニュアル車 フロント2本、リア4本)で、タイヤは225/80R17.5を装着していた。

<M939のタイヤパターン>

20230703toyo2 1024x683 - トラック用スタッドレス「M939」試乗記【短評】/滑りやすい路面も抜群の安定感

試乗してみて、特に強く感じたのはコーナリング時の安定感が大きく向上したこと。速めの速度で周回路に入っても、フロントが外に逃げることなくコントロール性を失わない。ブロックを中央に連結させることで接地領域を増やしたというが、これが大きく効果を発揮している。挙動を乱すことなく思った通りにトレースしてくれるので、ステアリングを修正する必要もなく、安心して走行できた。

また、このグリップの良さは低速域でも同様。発進時から路面をよく掴み、スムーズに加減速できる。ブロック内にサイプを高密度に配置することでエッジ要素を増やしたというが、これによって縦横とも路面への追従性が極めて高い。滑りやすいコース上も危なげなく走行でき、これならば実際の雪道でも安心して走行することができるだろう。

<M939での試走 動画>

短時間・短距離の試乗のため、M939のもう一つのアピールポイントである耐摩耗性については確認できなかったが、それが重視されるトラック・バス用タイヤとはいえ、まずはスタッドレスとしての高いアイス・スノー性能を備えていることが前提だ。この点で、M939は十分に期待に応える実力を備えている。冬道の頼もしい相棒となりそうだ。(山内公雄)

車両・用品に関する最新ニュース

一覧

最新ニュース

一覧