ラピュタロボティクス/LiDAR搭載で高精度を実現した自動フォークリフトのデモを披露

2023年07月11日 15:09 / 動画

ロボティクスプラットフォームを提供するラピュタロボティクス(東京・江東区)は7月11日、都内で今年4月に発売した自動フォークリフトのデモを披露した。

同社の自動フォークリフトは、三菱ロジスネクストのリーチ式フォークリフトがベース。これにセンサー類を装備するなどカスタマイズしたものとなっており、自社開発のロボティクスプラットフォームrapyuta.ioとAI技術を用い、複雑な倉庫オペレーションに柔軟に対応可能としている。

<三菱ロジスネクスト製リーチフォークリフトをベースに自動化したラピュタ自動フォークリフト>

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大きな特徴は、自車位置を確認するのに、レーザー光を照射し対象物の距離や形状を検知する「LiDAR」を複数搭載していること。他社の自動フォークリフトでは、自車位置確認のために反射板や磁気テープなどを倉庫内に設置するものが多いが、ラピュタ自動フォークリフトではLiDARによって自社位置や障害物を検知するためこれらの設置が不要であり、既存倉庫にスムーズに導入することが可能になっている。

パレットの形状や穴の位置もLiDARで検出するため、通常のパレットであればすべてのパレットに対応可能。また2度刺しや斜めに置かれたパレットも対応もできるなど細かな動作も可能なので、幅広い現場で使うことができる。周囲に人などを検知した場合は動作をストップするなど、安全性も高い。

ラピュタでは現在のところ、トラックから降ろした荷物を一時的に置く仮置き場から垂直搬送機への搬送などを中心に想定しているという。今後は棚入れ作業まで対応可能とする予定であり、より活躍の場が広がることになる。トラックへの搬入・搬出は、カウンターバランス式でないことやトラック荷台の形状や位置がバラバラなこともあって難しいというが、仮置き場からの移動だけでも省人化できるのは大きなメリットといえるだろう。

実際のデモを見ると、動作そのものは確かに速くはないものの、極めて正確で安心感がある。搬送能力は毎時20~30パレットで、同社の自動フォークリフト事業責任者の有元啓祐氏によれば、有人フォークリフトの約半分程度の速さとのこと。ただし有人フォークも実際には一日中フルスピードで作業するわけではないので、一日当たりにならすとそれほど差はないという。また、有人フォークリフトがベースのため、スイッチを切り替えれば通常の有人フォークリフトとしても使うことも出来るので、作業に合わせて活用しやすいのも利点といえる。

<スイッチを切り替え、ハンドル部のカバーを取れば、通常のリーチフォークとしても使用できる>

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現在の国内フォークリフト市場は年間約8万台。このうち自動フォークリフトは約300台で、1%にも満たない状況である。この普及のネックとなっているのが価格の高さ。通常のフォークリフトは200~300万円台だが、これに対して自動フォークリフトは数倍以上高価になる。ただし、スタッフを確保するのが難しい夜間深夜帯の稼働も可能になることから、ラピュタでは約5年で投資回収が可能としている。

物流現場は人手不足が慢性化しており、今後も人材確保がますます厳しさを増すものと考えられる。その解決策の一つとして、ラピュタ自動フォークリフトには大きく期待されるところである。価格面など課題はまだ残るものの、徐々に普及の速度を早めていくことになりそうだ。

<ラピュタ自動フォークリフトのデモンストレーション>

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