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2025年04月25日 14:23 / 経営
全日本トラック協会は4月25日、2023年度決算版の経営分析報告書を取りまとめた。
分析は、2022年10月から2024年8月までを対象期間とする2023年度決算(有効数2451者)の「一般貨物自動車運送事業報告書」に基づき、決算と経営面を検証した。1992年度から継続発行しており、今回で33回目となる。
2023年度の対象期間における営業収益(貨物運送事業収入)は1者平均で2億6400万7000円(前年比4.0%増)となった。貨物運送事業における営業損益は0.6%(前年より0.6ポイント改善)、経常損益は2.2%(同0.4ポイント改善)となり、営業損益ベースで黒字事業者は51%(1256者)、経常損益ベースで黒字事業者は61%(1496者)だった。
一方、車両10台以下の区分では、営業赤字が52%、経常赤字が46%に上る。
2023年度は「物流の2024年問題」の前年度ということで、燃料費の高止まりや物価上昇、車両調達価格の高騰、修繕費、タイヤ・オイル代などの上昇により運送原価の上昇が顕著だった。
一方で、前期から運賃・諸料金の引き上げによる価格転嫁が引き続き緩やかに進展したため、営業損益・経常損益ともに、わずかに回復傾向となった。
しかし、人件費、車両費、燃料費等の上昇分に係る運賃転嫁が依然として低調で、運送原価の上昇が価格転嫁を上回るため、多くの事業者の経営状況は改善まで至っておらず、深刻な状況が続いている。
価格転嫁の状況は事業規模により格差があり、業界の大半を占める20両以下の事業者は運送原価上昇分に係る運賃転嫁が十分でないことから、営業損益率が依然マイナス圏にとどまり、業績回復は大幅に遅れ、厳しい経営を余儀なくされている。
損益率の改善は、事業規模による大きな格差が生じており、トラック運送業界全体の底上げを図るためには、中小事業者に対する運送原価上昇分の運賃・諸料金転嫁支援を強化、継続する必要がある。
このため、原価上昇分を運賃に転嫁するため、法令改正等による支援を含め、継続的な輸送が確保できるよう支援策を一段と拡充する必要がある。