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2025年06月27日 17:20 / 経営
日本郵便は6月25日、今回の点呼業務不備事案を受けて、4月23日に総務省から提出を命じられた報告徴求に対する報告書を提出した。総務省に対して、点呼業務不備事案に関する事実関係、原因分析、対応策、郵便・物流サービスの提供状況などを報告したもの。
報告書によると、複数の郵便局において、乗務前及び乗務後の点呼が日常的に実施されていなかった。また、乗務後点呼のアルコールチェックについて、乗務前に比べアルコールチェックの実施率が大きく低下していた。さらに、実際には点呼を実施していないにも関わらず、点呼記録簿上は全て実施済みとして記録されていた。
これらの原因について、「本来、運送事業者としての基本的責務である『点呼と運行はセット』という認識が現場に浸透しておらず、業務繁忙、管理者の目が行き届かない実態、長年の慣行により未実施が恒常化した」「『自分は飲酒しない』『勤務中に飲酒する社員などいない』との誤認が現場に蔓延し、乗務後のアルコールチェックを不要と考える文化が形成された」「帳票が形式的に整っていれば郵便局管理者による確認や検査部門による検査等で発覚しないという意識が蔓延し、法令遵守や安全管理意識よりも帳票整備が優先される風土が郵便局に深く定着していた。また、点呼の記録が紙媒体・手書きにより運用されていたことも、虚偽記載が容易となり、点呼実施の有無を客観的に把握するうえで一定の障害となっていた」と分析した。
対応策として、「本社、支社社員に対し、社用車を使用する場合の酒気帯び有無等の確認の取扱いについて周知」「全集配関係社員を対象に飲酒運転防止の取組、点呼の法令趣旨と重要性、不実記載の禁止を理解させる研修を2期に分けて実施」「研修においては、動画教材により、具体的事例を交えて繰り返し学習を行い、満点に達するまで理解度テストを実施する仕組みを導入。さらに、スモールミーティングを活用して、動画教材の振り返りを実施」している。
あわせて、「管理者研修を通じて『帳票は結果の記録であり、実態確認が管理行動の本質である』ことの徹底教育を実施。さらに、不備潜在化事例を具体的に紹介し、帳票整備のみの管理運用の問題性についての教育」を実施した。
今後、「研修・理解度テスト・スモールミーティング」のパッケージで点呼の基本動作を徹底させる取り組みを繰り返し実施。また、管理者の意識を持続的に高めることができるよう、管理者研修を定期的に行う。
さらに、郵便局において、点呼を実施した結果、体調不良等により乗務不能となることを忌避して、乗務させるといったことが生じないよう、業務の効率化を推進。点呼記録の電子化が可能となる点呼関連システムの導入を進め、帳票依存からの脱却を図ることで、より的確な実態確認が行える環境を整備する。