プライム ライフ テクノロジーズとPLTグループ住宅3社(パナソニック ホームズ、トヨタホーム、ミサワホーム)はこのほど、新たなPLT輸送連合の取り組みで物流を効率化、CO2排出量の削減を実現した。
各社の輸送協力会社19社の稼働状況に応じて車両を融通し相互活用するなど、輸送連合体制を構築して物流を効率化を進めた。
2024年度末までに4トントラック261台分/年に相当する輸送力不足への改善を実施し、輸送CO2排出量26トン-CO2/年の削減を実現し、シナジー効果により各社単独では成しえない規模の削減となった。
<パナソニック ホームズ湖東工場内イメージ>

3社合計で全国に1カか所の生産拠点と85カ所の物流拠点があり、これらを活用し「地産地消」「物流拠点の共同化」「輸送の効率化」「輸送の連合化」などの取り組みを進めてきた。
「輸送の連合化(輸送能力の最大化)」では、輸送力がひっ迫する関東・中部地区において、3社の輸送協力会社のネットワークを共有した。
3社の繁閑差を活かして各社の輸送協力会社19社を相互活用する体制を構築し、ピーク時のトラック台数を平準化。例えば、繁忙期におけるミサワホーム沼田工場(群馬県沼田市)からミサワホーム松本基地(長野県松本市)への部材転送に、パナソニック ホームズの輸送ネットワークを活用した。
「輸送の効率化(空車回送の削減)」では、3社における「帰り便」を有効活用することで、空車での回送を削減し輸送を効率化した。具体例として、ミサワホーム岡山工場(岡山県備前市)から同名古屋工場(愛知県江南市)への配送の帰り便を活用し、パナソニック ホームズ湖東工場からパナソニック ホームズ岡山デポ(岡山県倉敷市)への部材を配送している。
「物流拠点の共同化(ドライバー負担の軽減)」では、3社の生産・物流拠点を共同活用し長距離輸送時の中継デポとして利用することで、長距離輸送を抑制しドライバーの拘束時間やトラック台数を削減した。パナソニック ホームズ湖東工場(滋賀県東近江市)から愛知県東部エリアへの輸送の際にトヨタホーム春日井事業所(愛知県春日井市)を中継デポとして活用している。
「地産地消(生産拠点の最適化)」では、大型部材の生産について、3社の生産・物流拠点を共同活用し建築予定地最寄りの拠点で生産することで、長距離輸送を削減した。具体例として、九州エリア向けのパナソニック ホームズやトヨタホームの屋根パネルを、パナソニック ホームズ九州中継センター(福岡県三井郡大刀洗町)やミサワホーム福岡工場(福岡県鞍手郡鞍手町)で組み立てることで輸送を効率化している。今後も、地産地消の対象部材の拡大検討を進める。
そのほか、過去2年にわたる取り組みのなかでモーダルシフトやトレーラー共同活用なども進めており、これらの活動を通してさらなる輸送効率化並びにPLTグループが掲げるカーボンニュートラル目標の達成(2030年度までのCO2排出量50%削減)を目指す。
売上高物流コスト比率/2024年度は5.44%、値上げ要請など過去20年で2番目の高さ