いすゞ/バッテリー交換式EV実証実験を横浜で開始、ファミリーマート店舗配送に使用
2025年11月20日 15:11 / 施設・機器・IT
いすゞ自動車、ファミリーマート、伊藤忠商事、横浜市(神奈川県)は11月20日、バッテリー交換式EV実証実験の出発式を横浜市内で行った。
この実証実験は、国内初となる車両の左右両側からバッテリーを同時交換できるステーション及びこれに対応した実証用トラックを、ファミリーマート店舗への商品配送に使用するもの。バッテリー交換ステーションはJR新横浜駅の近隣に設置、車両はバッテリー交換式に改造した「エルフEV」で3台を配備し、横浜市内のファミリーマート約80店舗にルート配送を行う。実証は最長で2年間を予定している。
設置された交換ステーションは、バッテリーを収納する20ftコンテナ2つ(長さ6000×幅2400×高さ2900mm)と、バッテリー交換装置、車両停止位置補正装置、ソーラーパネルで構成。コンテナには片側7パックのバッテリーを収納できる。実証用のエルフEVは4個のバッテリーを搭載しているが、約7分で交換できる。通常の固定式バッテリーを搭載するエルフEVの場合、充電時間は約1時間かかるが、これならばディーゼルトラックに給油するのと同等の時間で車両を運行することが可能だ。
一方、実証用のバッテリー交換式エルフEVは、89.2kWh(22.3kWh×4)のバッテリーを搭載し、最大積載量は2.95トン。横浜市内のファミリーマート店舗への配送は1日3回行う。1行程は30~70kmが多く、長くても100km程度。実証車両の航続距離は公表していないが、100kmはカバーできるという。
実証用車両はバッテリー交換ステーションとの通信機能を搭載し、車両がステーションに入庫し、キーをオフにすると両サイドのシャッターが開き、バッテリー交換が自動で開始される。
まず車両の位置を交換できるよう床の補正装置で自動的に動かし、続いてバッテリーを取り出すアームが出てきてバッテリーパックを左右同時に交換。バッテリーは1個180kgあるため、片側だけ交換すると車が斜めになってしまい、反対側が交換できなくなってしまうという。なお取り出されたバッテリーは、すぐに充電される。出力10kWで充電し、約2時間で充電が完了する。
交換作業はすべて自動で行われるため、ステーションに入った後は、ドライバーは作業が終わるまで車内で待つだけ。ステーションへの入庫も、ドライブスルー方式の洗車機のように「前進してください、止まってください」など前方の電光掲示板の指示に従うだけなので、非常にシンプルだ。なお、今回の実証で使用するのは車両3台のみだが、同規模の交換ステーション1つで50~100台の運用が可能だという。
出発式で、いすゞの南 真介社長は「トラックは長時間使う、それから止まってはいけない。一方でEVの充電時間はかなりかかる。ここに解決しなければならない課題がある」とし、特にコンビニエンスストアの配送車は、ほぼ24時間運行するため、この課題は非常に大きいと指摘。いすゞはバッテリー交換式EVが、この課題を解決できるのではないかと考えた、と同社の方針を説明した。
さらに「実証していく中で、いろいろな課題、乗り越えなくてはならないハードルがいろいろ分かってくると思う。その一つ一つを解決して、実証から実用に結び付けていきたい」と語り、今後は他社も含めたバッテリー交換式EVの規格化や、蓄電施設としての使い方も考えていきたい、と語った。
ファミリーマートでは、物流におけるCO2排出量について、2030年までに2017年度比で30%まで削減する目標を掲げている。ファミリーマートの大野 泰執行役員は、今回の実証について「重要なマイルストーンだと考えている」と説明。「配送中のCO2を削減するだけではなく、充電時間を大幅に削減し、効率的かつ安定的な配送を両立させる、持続可能なサプライチェーン構築の重要な柱だ」と認識を示し、「この実証で得られる結果を最大限に活かして、今後、全国のセンターに環境配慮型の車両を導入していきます。物流業界全体で、このステーションの設置がモデルとなって、CO2排出量が0になるよう、積極的に推進していきたい」と述べた。
横浜市の山中竹春市長は「横浜市のCO2排出量の約2割が運輸部門。その運輸部門に欠かせないのが配送車であり、配送車の脱炭素化が必要」と指摘。その上で「配送車を24時間使う必要があるコンビニの配送車をバッテリー交換式EVにすることは、我が国の脱炭素化を進める大きな一歩になる」とし、「2027年には、ここ横浜で環境に優しい社会をテーマとするグリーンEXPOが開催されます。(今回の実証は)まさに環境に優しい未来の社会を体現する、その第一歩になるものと考えています」と期待を語った。
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