日本郵便は3月31日、2026事業年度の事業計画を発表した。国内物流業務においては、事業の成長に向けて、ラストワンマイル機能の強化・効率化の推進に加えて、国内外の企業間物流を強化し、国際物流・国内物流の全てを一体で事業運営できる総合物流企業を目指す。
また、引き続き大手EC事業者との協業を加速させるほか、小型荷物サービスの活用・拡大を図ることで、フリマ市場を含む成長するEC市場の荷物を確実に取り込んでいくとともに、法人営業体制の強化や、差出・受取利便性の向上を一層進め、荷物の利用拡大を図る。加えて、引き続き急拡大する輸入越境EC荷物の獲得に向けた商品開発、専用の営業体制を強化する。

■トナミホールディングス、ロジスティード、JP楽天ロジスティクスと連携強化
総合物流企業への転換に向けては、2025事業年度において、トナミホールディングスを子会社化したほか、ロジスティード等との資本業務提携契約を締結した。2026事業年度では、車両や拠点の相互利活用、資材の共同調達等の業務の共同化、顧客に対する一体的なサービスの提案、各社間の人材交流等に取り組みながら、更なる付加価値の向上に取り組む。
楽天グループとの協業については、2026事業年度においても引き続き、子会社であるJP楽天ロジスティクスと楽天グループとの連携を強化するほか、効率的な物流ネットワークの構築等により、さらなる取扱個数の拡大に向けて取り組む。
ロジスティクス部門は、営業倉庫を27拠点・約23万1000m2まで拡大する。2026事業年度においても、提案スピードや価格競争力の向上に取り組むほか、ニーズ等に合わせた物流ソリューション提案等により、収益の拡大を図る。また、トナミホールディングスとJPロジスティクスとの間で中継輸送の拡大に取り組む等の協業施策を推進する。
ラストワンマイル機能の強化・効率化に向けては、差出・受取利便性の向上、集配ネットワークの効率化、コスト削減等に取り組む。差出・受取利便性の向上に向けては、2025年7月に提供を開始した、法人向けクラウド型送り状発行サービス「ゆうプリクラウド」の利用拡大や、ゆうプリタッチの設置拠点の拡大等による差出利便性の向上に加え、配達予告通知や置き配の促進等、再配達削減に向けた取り組みを通じて、受取利便性や生産性の向上を進める。
■郵便・物流ネットワーク再編、都市部は集配拠点新設・地方は集配機能集約
また、郵便物数の減少傾向を踏まえ、郵便・物流ネットワークを荷物重視に最適化する方針のもと、郵便・物流ネットワークの再編を進める。具体的には、都市部と地方部で再編の方向性を分け、人口密度の高い都市部では集配拠点を新設し、配達時の走行距離を短縮することで配達の効率化を図る。また、地方部においては、人口密度が低くなるなかで、集配機能を集約し、広域配達を実施する等の再編を進める。
コストの削減では、業務量の変動や、集配ネットワークの効率化等に応じた要員配置の最適化に取り組む。加えて、全集配社員に配備しているスマートフォン端末を活用し、テレマティクス技術を用いて取得するデータを元に、社員の安全確保や配達の相互応援、郵便物の配達順路や配達エリアの見直しを進め、集配業務の効率化等を推進する。
このほか、スマートフォン端末を通じて運送便の動きを可視化等する輸送テレマティクス、輸送テレマティクスで取得した運送データ等を基に効率的なダイヤを作成するAIダイヤについて、全国的な運用を開始し、輸送DXを通じたオペレーションの効率化を推進する。
さらに、先端技術の活用による局内作業の省人化のほか、将来的な実用化に向けて、配送の高度化(ドローン等)についても試行・実験を重ねる。これらDXの取り組みを、郵便の業務と国内物流業務のいずれにおいても推進する。
■2024年問題でセイノーグループとの共同運行を拡大
また、いわゆる物流の「2024年問題」については、2025事業年度において、セイノーグループやトナミホールディングス等との間で、輸送オペレーションの見直しを行った。物流の「2024年問題」は、年々深刻化していく構造的な問題であり、日本郵便では、2026事業年度においても、荷主・運送事業者双方の立場から、物流サービスの持続可能性を確保しつつ、顧客サービスの向上に継続的に取り組む。
具体的には、セイノーグループとの間で、双方のドライバー不足の解消に向け、共同運行の更なる拡大に向けて、引き続き協議・検討を進めるほか、グループの「物流の適正化・生産性向上に向けた自主行動計画」等に基づき、改正物流効率化法及び改正貨物自動車運送事業法の施行に対応するとともに、「物流革新に向けた政策パッケージ」等に基づく取り組みに対応する。
あわせて、日本郵便は郵便物や荷物の配達・集荷等の業務において、多数の協力会社の協力を得ている。2026事業年度においても、「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」にも沿った形で、協力会社とのパートナーシップ構築に向けた取組を継続し、価格転嫁・取引適正化を進める。
また、フリーランスとの取引についても、フリーランス法に違反することがないよう、2025事業年度に契約の仕組みに係る運用の見直し等に取り組んだ。2026事業年度においても引き続き、取引適正化に取り組む。こうした価格転嫁・取引適正化については、集配関係委託契約に限らず、日本郵便の事業に関わる協力会社やフリーランス等に対して進めていく。
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