T2と三菱地所は8月21日、レベル2自動運転トラックの試乗会を茨城県内で実施した。
T2は、7月1日からドライバーがハンドルから手を離すことができる「ハンズオフ運転」が可能なレベル2自動運転トラックによる幹線輸送の商用運行を、関東~関西間で開始している。今回試乗したのは、このレベル2自動運転トラック。車両総重量(GVW)25トンのいすゞ「ギガ」10トン車をベースにしたものだ。
車両には、衛星からの電波で自車位置を測定するGNSSアンテナの他、レーザーで周囲の物体を判別するLiDARセンサー、周囲の状況を画像で解析するカメラを搭載。これらによって自動運転を実現している。
LiDARは3基、カメラは12基を搭載しており、これらの情報から得られる自車の周囲360度の状況を分析し、走行するというわけである。
<車両両脇にある黒い円筒形のものがLiDAR。レーザーで周囲の物体の形状や距離を測る>

レベル2のため、自動運転区間以外のところでは、通常のトラック同様ドライバーが運転する。キャビン内には制御装置など多くの機器が搭載されているが、操作系など運転席周りは通常のトラックと変わらない。
今回の試乗では、1周約5kmのコースを時速70キロで走行。スタート時とゴール時はドライバーが運転操作するが、それ以外はドライバーは手を離し、自動運転で走行。加減速、ステアリング操作など、周囲の状況に合わせてすべてトラックが自動で行う。
自動運転中の走行は実にスムーズ。車線の中央を常に維持し、カーブで不安定になることもない。車線の変更も早すぎず遅すぎず、適切なタイミングで行われ、ベテランドライバーの運転操作と変わらないレベルだ。
コース内には追従車も用意されており、途中で自動運転車を追い越す設定となっていたが、これも問題なし。追い越された後は、一定の距離を保ちながら先行車に合わせて走行するのだが、この際の加減速や車間距離の調整も巧みで、ショックや違和感もなかった。
<ハンズオフ運転中。ドライバーは手を離せるが、すぐに運転を代われるよう状況を確認し続ける必要がある>

さて、今回披露されたレベル2自動運転トラックだが、これは、将来のレベル4自動運転トラックによる無人での幹線輸送実現へのステップという位置付けである。
T2と三菱地所は、三菱地所が全国主要都市圏への展開を計画する高速道路ICに直結した「次世代基幹物流施設」を、T2のレベル4自動運転トラックを運行する上での発着拠点と定め、三菱地所は既に京都府城陽市、神奈川県横浜市、宮城県仙台市でレベル4自動運転トラック、ダブル連結トラックなどの次世代モビリティによる幹線輸送の受け入れ拠点となる基幹物流施設の開発を進めている。
<三菱地所が横浜市旧瀬谷通信施設地区で整備を進める高速道路IC直結型次世代基幹物流施設(イメージ)。2030年頃の竣工を目指している>

さらに7月からは、国内初となる自動運転トラックによる物流施設の「建物内走行」の実証も三菱地所グループの東京流通センターで開始した。建物内は自車位置を推定するGNSS情報が得られないため技術的な難易度が高いが、物流施設内の高精度3次元データとトラックのLiDARで「建物内走行」を可能にするという。
これが実現すれば、高速道路での幹線輸送から基幹物流施設のバース間まで、無人状態での輸送が実現することになる。
T2の熊部雅友CEOは、レベル4自動運転の実現に向けて、ベースの部分はかなり出来ている、という。ただ、2027年のレベル4自動運転トラックによる幹線輸送開始に向けては、まだまだ課題は多いのが実情だ。「いろいろなシチュエーションに対応できるようにしないといけない。例えば、テストコースは路面が整備されていますが、実際の道路は曲がっていたり、へこんでいたりする。そういうのも対応しなくてはいけない。そこを重ねていく必要はある」と語る。
「また、ETCなども無人で通れるようにしないといけない。レーンは幅が狭いし、通るレーンを選択しなくてはいけない。これは課題の一つ。そういうところもクリアしていくために、何が必要で、どういうふうに対応して、かつ、それを何度も実験して、正確にできるようにする必要がある。色々課題はまだまだあるが、1つ1つ着実に進めていく」という。
その意味でも、7月から商用運行を開始したことは大きな意味を持つ。道路環境のリアルなデータの集積を加速することができるためだ。「これをしっかり経験として重ねて、そこで見つけた課題に対応していく。こういうことを積み重ねていって、レベル4にたどり着くということだと思っている。そこに向けて順調にやっていく」。
熊部CEOは、8月からT2のCEOに就任したばかりだが「開発にあたっては、社員が色々な実績をもうすでに作ってくれているので、これをさらに拡大させていく、あるいはより精度を高めていくために、どういった舵取りが求められるのか。これが今、私の宿題です」という。
「T2には才能がある人たちが集まっていて、強力なパートナーがいますので、それをどうやってやったら活かせるのか、能力を発揮していただけるのかというところでしょう」と自らの使命を語る熊部CEO。車両開発そのものはもとより、三菱地所が進める次世代基幹物流施設との連携などインフラ面の整備も徐々に進展しており、レベル4自動運転の実現に向けて計画は順調に進んでいるようだ。国内の物流維持に向け、その取り組みは大いに期待される。
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