経営 に関する最新ニュース
一覧- ダイムラートラック/ラドストロムCEOが欧州自動車工業会 商用車委員会のトップに就任 (12月16日)
- 自動物流道路/実装に向け成田空港で初の実証実験開始、物流の効率化・高度化目指す (12月16日)
- 物流機能内製化調査/物流コスト増大で、中小企業の4割が内製化を検討 (12月16日)
- 三八五流通/マルヨ産業運送(岩手)の全株式を譲受 (12月16日)
- タカキ物流サービス/「2025年度エコドライブ活動コンクール」優秀賞を受賞 (12月16日)
2025年08月29日 13:28 / 経営
住友ゴム工業は8月27日、AIソリューションを提供する米国のベンチャー企業であるViaduct, Inc.(バイアダクト社)と、約153億円で買収契約を締結した。
これまで両社は共同での実証実験を通じて、住友ゴムが保有するタイヤのセンシング技術「センシングコア」と、Viaduct社が保有するAI技術を組み合わせた新しいサービスの開発を行ってきた。
今回の買収により、10月から北米で販売を開始する企業や団体が所有する車両を運用・管理するフリート車両向け故障予知サービスをより効率的に推進するとともに、日本や欧州などグローバルでのサービス展開を加速させる。
さらに、部品の交換時期を知らせることで車両故障の未然防止やメンテナンスの効率化、部品発注や作業指示などへサービス範囲を拡大させることで、タイヤ事業とのシナジーを創出する。
住友ゴムとViaduct社は2023年に共同実証実験を開始し、2024年には出資により戦略的パートナーシップをより強固なものとして開発を進めてきた。今回、事業のさらなる推進と拡大、グローバル展開をより加速させるため、買収に至った。
10月から北米でサービスを開始するフリート車両向け故障予知サービスでは、フリート事業者が抱えるダウンタイムの削減やメンテナンスコスト削減といった課題の解決に加えて、走行時の安全性向上や車両の稼働率向上に貢献する。
シリコンバレーに本社を構えるViaduct社は、車両や工場の膨大なデータを独自のアルゴリズムで解析することで、異常の早期発見や予測、さらには異常の原因を特定できる非常に汎用性の高いAI技術を保有している。既に大手顧客での実績も重ねており、今後は自動車分野にとどまらず、さまざまな分野への事業展開を視野に入れている。
住友ゴムは、センシングコアを中心としたソフトウェアソリューションにより、次世代のモビリティ社会の進化に貢献していくことを目標として掲げている。今回の買収により、Viaduct社が保有するAI技術と住友ゴムが保有するタイヤの知見およびセンシングコアとの融合を図ることで、新たな価値の創出を目指す。
現在、住友ゴムは、CASE/MaaSに対応する高い安全性能・環境性能を実現するために、タイヤ開発および周辺サービスの開発コンセプトである「SMART TYRE CONCEPT(スマートタイヤコンセプト)」を掲げている。
その周辺サービスの中核を担う「センシングコア」を、タイヤ・スポーツ・産業品に次ぐ、主要事業の第4の柱として成長させていきたいと考えている。自動運転向けビジネスとともに、フリートマネジメントビジネスを中心とし、2030年に事業利益100億円以上を創出する事業へ成長させる。