T2は10月30日、ジャパンモビリティショー2025の会場で行ったプレスカンファレンスで、新たにF-LINE、大和物流が同社の商用運行に参画することを明らかにするとともに、レベル4自動運転に向けた取り組みを説明した。
<ジャパンモビリティショー T2ブースでのプレスカンファレンス>

同社は、2027年に無人走行のレベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービスを開始する予定。これに向けて、今年7月から国内初となるレベル2自動運転の商用運行を開始している。
熊部雅友CEOは「大手物流事業者5社をユーザーに関東~関西間で運行し、開始以降、走行距離は5万キロを超え、運行本数は約80便、自動運転区間での無事故・無違反の安全運転を継続している」と現状を説明。「ユーザー各社からは、ドライバーの確保がこの先困難となる中で、大きなポテンシャルを感じている、と好意的な反応をいただいている」と述べた。
<T2 熊部雅友CEO>

その上で、加工食品メーカー6社の物流を担うF-LINEと、大和ハウス工業の物流を担う大和物流も、T2の商用運行に参画することが発表された。
F-LINEとの運行は11月から開始し、うま味調味料やトマトケチャップ、ポン酢といった調味料のほか、食用油、小麦粉、カレールウなどの輸送を予定。また大和物流の商用運行は2026年1月から開始し、住宅用の建材や設備などを輸送する。熊部CEOは「今回の2社の参画をはずみに、今後、商用運行の顧客網をさらに拡大していく。すでに複数社が年内の参画を検討しており、この先の展開にも期待して欲しい」と語った。
一方、2027年のレベル4自動運転を見据えた取り組みとして、「技術・オペレーションの作り込みを進めていく」と説明。これを成立させるためには、高速道路の無人運転と一般道での有人運転を切り替える、いわゆる「切替拠点」の整備が必要になるが、T2は、東名・綾瀬スマートICに近接する土地を活用し、「切替拠点」を設けると発表。物流事業者としては国内初の設置となり、26年2月の完成を目指して11月より工事を始める。
熊部CEOは「同時並行で検討中の神戸市での拠点開発とあわせて、当社のサービスに欠かせない要素の整備に取り組んでいく」と説明した。
T2は、さらに物流拠点への自動運転トラックの導入にも取り組み中。三菱地所とともに、25年夏より「建物内走行」の実証を開始、またクロスドックの仕組みを備えた物流拠点間の輸送に自動運転トラックを取り入れる実証を、三井倉庫ロジスティクスとも実施した。熊部CEOは「高速道路はもちろん、その先の物流拠点までもスコープに入れ、自動運転トラックのポテンシャルを最大限引き出す試みを今後も推し進めていく」と意気込みを見せた。
T2、ヤマトなど/国土交通省「自動運転トラック社会実装に向けた実証事業補助金」交付決定