水産庁は1月、「水産物・水産加工品の適正取引推進ガイドライン」を改訂した。1月1日から、中小受託取引適正化法(取適法)が施行されたことに対応する施策。
ガイドラインは、第1章「適正取引推進ガイドラインの概要について」、第2章「適正取引推進上の問題と望ましい取引形態について」、第3章「望ましい取引慣行の確立に向けた取組」の3章で構成する。
特に第2章では、適正取引推進において問題となる具体的な取引事例を提示し、合わせて望ましい取引形態を解説している。
第2章4.では、「原材料価格、物流費、労務費等のコスト増加を反映しない価格設定」について記載。問題となり得る事例として、「水産加工品の取引において、原材料価格、人件費、物流費等の上昇に伴うコストが大幅に増加したため、取引先の小売業者に対して価格の引上げを求めたが認めてもらえず、一方的に納品価格を据え置かれた」「水産加工品の取引において、配送費込みのPB商品の価格を決定していたところ、小売業者に納品する際の運賃(配送料)が値上がりしたため、加工業者から価格の引上げを求めたが、認めてもらえず、一方的に価格を据え置かれ、実質的に値下げを強要された」2つの事例を取り上げている。
水産物の取引については、労務費・物流費等のコストが大幅に上昇し、漁業者や産地市場の仲買人が単価引上げを求めたにもかかわらず、優越的地位にある消費地市場の卸売業者や小売業者が一方的に従来どおりに単価を据え置くことは、独占禁止法上、優越的地位の濫用に該当し違法となるおそれがあると指摘。
また、水産加工品の取引については、取適法の適用対象となる取引において、原材料価格や労務費、物流費等のコストが大幅に上昇し、加工業者が単価引上げを求めた場合において、小売業者が、当該協議に応じず、又は協議において加工業者の求めた事項について必要な説明若しくは情報の提供をせず、一方的に製造委託等代金の額を決定することにより、加工業者の利益を不当に害すると取適法の「協議を適切に行わない一方的な対価の決定の禁止」に該当し、違法となるおそれがある。
また、この場合において、小売業者が一方的に従来どおりに単価を据え置くことや、通常支払われる対価より著しく低い単価で製造委託等代金の額を一方的に定めることは、取適法の「買いたたき」に該当し違法となるおそれがある。さらに、独占禁止法上、優越的地位の濫用に該当し違法となるおそれがあり、受託取引に該当しない場合であっても留意が必要であると注意喚起している。
望ましい取引実例として、「水産物の取引において、物流費等の増加に際し、漁業者や産地市場の仲買人から消費地市場の卸売業者や小売業に対して取引価格について継続的に見直しを行うよう求めたことで、改定につながった」「水産加工品の取引において、契約内容について、加工業者と小売業者が事前に協議する際に、配送料が値上がり又は値下がりした場合の取引価格への反映方法について盛り込んだことにより、配送コストが納品価格に適正に反映できるようになった」といった事例を紹介している。
■水産物・水産加工品の適正取引推進ガイドライン
国土交通省/トラック運送業の下請・荷主適正取引推進ガイドライン改訂「書面交付」義務化