ヤマト運輸/燃料電池大型トラックを初公開
2023年05月17日 18:37 / 車両・用品
ヤマト運輸は5月17日、同日から開始する燃料電池大型(FC)トラック走行実証で使用する車両を、同社の羽田クロノゲートで報道陣に公開した。FC大型トラックの走行は、日本初となる。
<公開された燃料電池大型トラック>
車両は「日野プロフィア」をベースに、トヨタFCスタックやモーター、大容量の高圧水素タンク6本を搭載し、貯蔵した水素と大気中の酸素をFCスタックに取り込むことで発電し、その電気でモーターを駆動させ、車両を走行させる。車両総重量は25tで、航続距離は約600km。
<水素充填口>
搭載されたFCスタックは、トヨタの乗用FCVである「MIRAI」に搭載されているものを2基搭載。さらに大型トラック用に出力や信頼性の向上を図るなど、改良を施したという。また高圧水素タンクはキャビンと荷室の間に搭載されており、この結果、通常の荷室よりも800mm短縮されているという。また駆動用バッテリーには、BYDのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーが採用されている。
<搭載された高圧水素タンク>
ヤマト運輸では同車1台を幹線輸送で使用。近隣にある水素ステーションで水素を充填した後に、羽田クロノゲートベースで信越方面行の荷物を積み込み、同社群馬ベースに向けて出車、群馬ベースで東京向けの荷物に積み替えを行い、羽田クロノゲートベースに向けて戻ってくる、という走行スケジュールで、羽田を夜出車して明朝に到着する形で計画を進めているという。
予定している走行ルートは往復で300キロ。後続距離の約半分のため、十分に走行可能であり、また万一に備えて途中にも水素ステーションがあることから、このルートを選定したという。
同社輸送オペレーションマネジメント部の堰向直彦シニアマネージャーは、「まずはドライバーの使い勝手の検証をするとともに、水素の充填に掛かる時間など、運行管理の部分も含めて検証をいきたい」と説明。また同社グリーンイノベーション開発部の上野公シニアマネージャーは「サステナブル経営を進める中で、環境に配慮したトラックは大前提。ただ同じように重要になるのが、この車が本当に使えるかどうか。今回の実証実験は、メーカーが作ったものを提供されるだけではなく、開発段階から関わらせていただいているが、こういったことは非常にありがたく、物流運送業界に普及していく中で非常に重要なことであろうと思っている」と、今回の走行実証への期待を語った。
<堰向シニアマネージャー(右)と上野シニアマネージャー(左)>
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