施設・機器・IT に関する最新ニュース
一覧- トーヨータイヤ/トラック用タイヤの状態管理アプリを開発 (12月03日)
- 栗林商船/2024年問題解決に向け、危険運転分析に関する実証実験を開始 (12月03日)
- ENEOS/全国373SSで、EVトラックの充電が可能に (12月03日)
- セブンイレブン/店舗配送トラックにバイオ燃料の活用開始 (12月02日)
- ニコニコレンタカー/ハイエースなど貨物車6時間コースを再導入 (12月02日)
2023年07月04日 17:26 / 施設・機器・IT
プロロジスのグループ組織である一般財団法人プロロジス財団と、スキマバイトサービス「タイミー」を提供するタイミーは6月26日~30日、「タイミー」ワーカー(働き手)を対象にした無料の共同教育プログラム「フォークリフト運転技能講習」を、JCフォークリフト教習センター埼玉(埼玉県伊奈町)で実施し、18名の受講者がフォークリフトの運転資格を取得した。
<フォークリフト運転技能講習の様子>
EC需要の拡大や「物流の2024年問題」などから、物流業界では深刻な人手不足が大きな課題となっているが、特に不足しているものの一つがフォークリフトの有資格者。プロロジスによれば、その人材確保がカスタマー企業の困り事の上位にあるといい、これに応える形でプロロジスでは昨秋、カスタマー企業からの推薦を受けた人を対象にした無償のフォークリフト運転技能講習をスタートさせた。
今回の取り組みは、この受講対象をタイミーのワーカーにしたもので、プロロジスの取り組みを見たタイミーからの提案で実現したという。タイミー・PA部スポットワーク研究所の川村愛基さんは「コロナ前は飲食業界の求人が多かったが、コロナ禍になってからは物流業界の求人が増え、フォークリフトの有資格者への需要も多い。そこに応えていきたい」という。またワーカー側としても、運転資格があれば時給が上がり、就業の機会も増えるというメリットがある。
プロロジスでは今回の取り組みについて、「タイミーと共同で実施することで、我々だけではアプローチできなかったワーカーにもリーチすることができた」(プロロジス広報室 古川志織ディレクター)と評価。物流業界で働いてみたいという新たな人材を獲得する上で、タイミーの幅広い集客力は頼りになる、と話す。フォークリフトの運転資格を持つタイミーのワーカーが増えれば、カスタマー企業もこれまで以上に必要なタイミングで必要な人材を得やすくなり、そのメリットは大きい。
<(左から)ジャパンクリエイト松尾 友氏、プロロジス古川志織氏、タイミー川村愛基氏>
タイミーが事前に1都3県のワーカーに行ったアンケートでは、約2万人がフォークリフトの運転資格を取得したいと回答しており、今回の無料講習の募集でも定員20名に対して約200名の応募があったという。そのようなところからみても、フォークリフトの運転資格は潜在的な取得希望者が多い資格といえる。しかし、資格取得には4日間・31時間(普通自動車運転免許がない人は5日間・35時間)の講習と講習料3万3500円(JCフォークリフト教習センターの場合)が必要で、これが大きなハードルとなっている。今回の講習に参加した50代男性は「以前から資格を取得したかったが、普通に講習を受けると4日間分の収入がなくなり、そこに講習料も加わるので金額的な負担が大きく躊躇していた。今回は講習料が不要なので負担が少なく、ありがたいですね」と話す。タイミーのワーカーにとって、心強いサポートとなったといえるだろう。
今回の講習には、女性も含む18名が受講。当初は初めて操作するフォークリフトの扱いに苦戦する受講者も多かったようだが、練習を重ねて最終日を迎える頃にはかなり慣れ、最後の実技試験も全員クリア。無事に修了証が授与された。20代の男性は「自動車と違って小回りが利くので、その違いに苦労しましたが、取得できてよかった。これまでより幅広い仕事に応募できるようになったのがうれしいし、また今後転職する際にも役に立つと思います」と笑顔を見せていた。
<全員無事に合格、修了証が授与された>
JCフォークリフト教習センター埼玉を運営するジャパンクリエイト・東日本事業統括部エリア事業推進課長代理の松尾 友氏によれば、「フォークリフト運転技能講習の受講者は年々増加している」が、有資格者の絶対数はまだまだ不足しているという。タイミーでは今後もジャパンクリエイトと共同で、埼玉に加えて横浜、厚木、伊丹の各JCフォークリフト教習センターでフォークリフト運転技能講習を毎月開催し、ワーカーのスキルアップを実現、「タイミー」を通じたスキマバイトの働き手が担う業務の幅を広げ、物流業界内の人手不足解消に一層貢献していきたい、としている。