いすゞ/中型トラック「フォワード」をフルモデルチェンジ

2023年08月29日 16:46 / 車両・用品

いすゞは8月29日、中型トラック「フォワード」を16年ぶりにフルモデルチェンジし、同日より販売を開始した。国内販売目標台数は1万6000台/年、価格は1373万3000円(GVW8トン級・Fカーゴ(ウイング)フルキャブ・標準ルーフ・6速スムーサーFx車の場合)。

新型は、1966年に登場したTY型から数えて7代目。「デザイン」「セーフティ」を中心に、「ホスピタリティ」「コネクテッド」の分野でも進化させたのが大きな特徴となっている。

まずデザインは、「PLEASURE to CARRY」をコンセプトに、タフさと華やかさを高い次元で両立。エクステリアではフロントグリルに、新しいいすゞのブランドアイデンティティー「ワールドクロスフロー」を導入。小型から大型まで一貫性のあるグラフィックだが、新型フォワードでは中型トラックらしい堅牢さを表現している。

<いすゞ 新型フォワード>

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インテリアは、タフで機能的でありながら、親しみやすさを感じる室内デザインを採用。キャビン内のデザインは、広がりを感じる特徴的なスタイルに一新し、居住性を向上させている。インパネ周りは一新され、スイッチ類の配置を最適化、またメーターパネルも刷新され視認性を向上させている。センターディスプレイは、タッチパネル操作の7インチを新たに採用し、バックカメラ映像やBluetooth接続による音楽再生機能、さらにはSmartDriveLinkを利用したスマートフォンのアプリを画面上で操作することも可能としている。

<横基調で広さを感じるインパネ周り>

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<一新され情報を見やすくなったメーターパネル>

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シートは、大型トラック「ギガ」に採用している高機能シートを採用。シートサスペンションを任意の高さで固定し、乗降時や室内移動時に便利な「電子式サスペンションロック」や、高級乗用車が採用する「吸引式ベンチレーション機能」、「シートヒーター」を装備し、長時間でも快適な運転を可能にしている。

パワートレーンは先代モデルからほぼ変更なく、エンジンは5.2リッターターボの4HK1-TCで、最高出力140kW(190ps)のTCC、154kW(210ps)のTCS、177kW(240ps)のTCHの3バリエーションを設定。排ガス後処理装置はDPD(ディーゼルパティキュレートディフューザー)+尿素SCR。トランスミッションも「スムーサーFx」と6速MTで変更はない。

先進安全・運転支援機能では、「近距離ミリ波レーダー」と「ドライバーステータスモニター」を追加し、大幅に機能を拡充。ニーズや運行形態に合わせて選択できるよう「ベーシック」、「スタンダード」、「アドバンス」、「プレミアム」の4種のパッケージオプションから選ぶことができる。ただし「プレミアム」「アドバンス」パッケージは、スムーサーFx車のみ選択できるので、注意が必要だ。新たに装備された先進安全・運転支援機能は以下の通り。

<4種のパッケージオプション>

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(1)レーンキープアシスト
走行時に車線をカメラで検知し、自動的にステアリング制御を行って車線逸脱による事故を抑制する機能。高速走行時に車線内の中央走行を維持することで、長時間運転によるドライバーの疲労を軽減する。GVW7.5t、GVW8t車は時速60~120キロ、GVW1t、GVW14.5t車は時速60~90キロで作動する。

(2)ドライバー異常時対応システム(EDSS:Emergency Driving Stop System)
ドライバーが急病などで安全に運転できない場合、EDSSスイッチ操作またはドライバーステータスモニターによる異常検知により、自動で車両を緊急停止させる。

(3)可変配光型LEDヘッドランプ
ハイビーム走行時、先行車や対向車の光をセンサーが検知して、安全走行に必要な範囲を自動で配光。自車速に応じ自動で光を集光(高速時)、拡散(低速時)したり、ハンドル操作に応じ照射方向も自動で制御夜間走行時の良好な視界を確保し、ドライバーの安全と疲労軽減に貢献する。

(4)ドライバーステータスモニター(DSM)
ドライバーの脇見/開眼/運転姿勢の状態をインパネ中央に搭載されたカメラでモニターし、居眠り運転や脇見運転などを検知し、運転への注意不足を検知すると警告音とモニター表示で注意喚起する。さらに、過度な眠気を検知した場合、自動的にエアコンが強い冷風を発し、より強く注意喚起することで、事故抑制に寄与しする。

<ドライバーステータスモニター>

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(5)ブラインドスポットモニター
新たにレーダーを追加したことで、側方衝突警報装置(BSIS:Blind Spot Information System)装着義務化の法規に対応。交差点進入時の警報機能に加え、車両直前や左側方、車線変更時の死角に入り込んだ対象物の検知・警報も可能になった。

(6)標識認識機能
車両搭載カメラが、最高速度・車両進入禁止・追越禁止・一時停止の交通標識を読み取り、メーターディスプレイに表示。ドライバーの交通標識の見落としを防ぐ。

(7)標識連動型スピードリミッター
スピードリミッターの上限速度を、カメラが読み取った最高速度標識に合わせた速度にスピードリミッター制御を行い、速度超過による事故を抑制する機能。

(8)電動パーキングブレーキ
自動で作動/解除する機能を備えドライバーの離席と連動するほか、ドライバー異常時対応システム(EDSS)による緊急停止でも自動で作動し、安全性の向上とドライバーの負荷軽減に貢献する。

(9)全車速車間クルーズ
今回から新たにエアサスペンション車にも追加された。設定した車間距離を維持するように、加速/減速のみならず、停止/発進まで含めた全車速域で車両を制御。また、先行車が発進し、ドライバーの発進操作がなかった場合は、メーターディスプレイ上でドライバーに先行車発進を知らせる。

このほか、コネクテッド機能として、2022年10月にサービス提供を開始した商用車情報基盤「GATEX(ゲーテックス)」を利用した、商用車テレマティクス「MIMAMORI」および、いすゞ独自の稼動サポートサービスである「PREISM」にも対応。PREISMでは、スマホアプリの機能を拡張し、車両だけではなくドライバーとも繋がることで安心と安全な稼動をサポートする。

 

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