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2023年10月04日 15:30 / 経営
合成燃料を製造する世界大手のグローバル企業であるHIF GlobalとENEOSは10月4日、合成燃料の協業に関する覚書を締結し、日本におけるカーボンニュートラル燃料の普及促進を共同検討すると発表した。
<ENEOS本社訪問時の写真>

覚書のもと、HIF Globalは、同社が有する南米、米国、豪州の製造拠点から、日本最大の石油精製会社であるENEOSへ合成燃料を供給する。合成燃料は、再生可能エネルギーを動力源とする電解槽を使用し、水を酸素と水素に分離して得られる水素を用いて製造される。このグリーン水素とカーボンリサイクルされたCO2とを使用して製造される合成燃料は、現在使用されている燃料と化学的に同等であり、既存のエンジンでの使用が可能となる。HIF Globalは世界各地の拠点で日量15万バレルの合成燃料を製造する予定。
また、覚書は、日本でのCO2サプライチェーンの確立や、HIF Globalの製造拠点で製造した合成メタノールを合成ガソリンやジェット燃料に変換するための製造拠点を日本で建設する可能性を検討することも含んでいる。
HIF Globalは、低コストの再生可能エネルギーを使用して水素をカーボンニュートラルな液体合成燃料に変換するプロジェクトを推進している、世界大手のグローバル企業。この液体合成燃料は、既存のインフラを活用し、輸送・使用ができる。HIFという社名は、地球の脱炭素化を可能にするための「Highly Innovative Fuel(極めて革新的な燃料)」を提供するという企業理念を表している。また、HIF Latam、HIF USA、HIF Asia Pacific、HIF EMEAは、HIF Globalの100%子会社となっている。
HIF Globalは、チリのマガジャネス州にあるHaru Oniの実証試験設備で合成燃料を製造しており、2024年にはテキサス州で商業規模の合成燃料製造拠点であるHIF Matagordaの着工を計画する。さらに、2022年7月には、HIF Globalにとって豪州初となる、タスマニア州での製造拠点建設を発表している。
ENEOSの須永常務執行役員は、「当社は、ENEOSグループの2040年長期ビジョンの下、『エネルギー・素材の安定供給』と『カーボンニュートラル社会の実現』との両立に向けて挑戦している。これらの目標を達成するために、当社は、水素や再生可能エネルギーの活用を推進し、合成燃料などのカーボンニュートラル燃料の事業開発を進めることで、温室効果ガス排出量を削減するためのさまざまな取り組みを行ってきた。今回のHIF Globalとの協業は、エネルギートランジションを主導する基盤となり、カーボンニュートラル社会における日本でのエネルギー供給の継続につながるものと考えている」とコメントした。
また、HIF Globalのセサル・ノートン(Cesar Norton)CEOは、「このたびの契約は、世界最大かつ最も発展している市場における、合成燃料への意欲を明確に示すものだ。当社はすでに、チリのマガジャネス州にあるHaru Oniの実証試験設備で合成燃料を製造しており、来年には商業規模として初となる合成燃料製造拠点をテキサス州マタゴルダ郡で着工する予定だ。当社のプロジェクト・ポートフォリオは拡大を続けており、HIFの南米、米国、豪州にある全拠点が膨大な需要を満たすことに寄与するものと確信している。運輸セクターの脱炭素化に向けた世界的な取り組みを支援するために、世界で必要とされるペースでこの新たな産業を発展させることを目指し、ENEOSと緊密に連携していけることを楽しみにしている」と述べている。