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2023年10月05日 17:47 / 経営
東京商工リサーチは10月5日、2023年度上半期(4-9月)「人手不足」関連倒産は、過去最高の82件(前年同期比164.5%増)で、前年同期の2.6倍に急増したと発表した。
要因別では「人件費高騰」が30件(前年同期5件)と前年同期の6.0倍、「求人難」が34件(同13件)で同2.6倍と大幅に増加。「従業員退職」も18件(同13件)で増加している。
コロナ禍では人手不足感は弱まり、2020年同期42件、2021年同期26件、2022年同期31件と、「人手不足」関連倒産は低水準で推移したが、経済活動が本格化すると一転して、人手不足が顕在化している。
産業別ではサービス業他の25件(前年同期比127.2%増、前年同期11件)が最多となったが、次いで運輸業(前年同期比533.3%増、前年同期3件)と、建設業(同171.4%増、同7件)が各19件で続いた。さらに業種別では、一般貨物自動車運送業が17件(前年同期3件)と急増し、2024年問題を前に人手不足が顕著になっている。
<産業別「人手不足」関連倒産推移>
形態別は「破産」が78件(前年同期比160.0%増)で、2年連続で前年同期を上回った。構成比は95.1%(前年同期96.7%)と、大半を占めている。一方、再建型の「民事再生法」は前年同期と同件数の1件。業績が厳しい企業では、資金余力も乏しく、新たな従業員を採用する余裕がなく、従業員をつなぎとめる福利厚生の充実や待遇向上を行うことも難しい。人手不足が一因となり、稼働率低下や失注などで業績改善も進まず、事業継続を断念して破産を選択するケースが増えている。