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2023年10月27日 15:12 / 車両・用品
ヤマト・インダストリーは10月26日、ジャパンモビリティショー2023会場で、新型商用EVバン「JEMY EV48」を初披露した。24年秋の発売を予定している。
<JEMY EV48>
カゴ台車や樹脂部品の製造・販売を行ってきた同社だが、自動車事業の参入は今回が初。2001年に日本で創業し、現在は中国最大の自動車開発代行企業に成長したIAT社と22年に資本・業務提携しており、IAT社のサポートを受けながら自動車事業に取り組む。
同社ブースで行われたカンファレンスで、ヤマト・インダストリーの池添洋一取締役は「(自社には)自動車づくりの経験ははないが、主力製品の販売を通して日本の物流業界と密接なつながりを持っている。お客様の生の声に日々接している。一方でIATには中国と日本、双方のEV関連技術の知識と経験がある」と強みを語り、「日本の電動モビリティ事業分野に新風を巻き起こしたい」と意気込んだ。
日本市場への当初の導入台数は約5000台を予定。価格については「他社を見ながら、競争力のある価格で勝負したい」(池添氏)とし、税込で400万円を切るつもりで計画しているという。
<期待を語る池添取締役>
「JEMY EV48」は、最大積載量約1.4トンの商用EVバン。中国の新興企業「金琥汽車(JENHOO Auto)」が2023年春から量産を開始したEVバン「EV48」をベースに、日本市場向けにカスタマイズを施す。ボディサイズは全長が約4.8mで、これが車名「EV48」の由来となっている。
搭載するモーターは最大出力60kW、最大トルクは300Nmで、商用バンとしては十分なパワーを発揮。駆動用バッテリーは40kWhのリン酸鉄リチウムイオンで、一充電あたり305km走行できる。
初めから商用バン専用車として企画・設計されているのが大きな特徴で、リヤモーターによる後輪駆動、ロングホイールベースとショートオーバーハング、フラットな床など配送に最適な構造としている。
中国のベース車は標準ルーフしかないが、日本では需要の多いスーパーハイルーフを独自仕様として採用。これにより完全なウォークスルーを実現し、作業者が自然な姿勢のまま荷室内を移動できる。
<天井高が高いので楽に車内を移動できる>
乗用車としての用途は最初から考慮していないため、リヤの窓枠プレスは一切ない。このためスムーズなサイドパネルを採用しており、「商用車の走る看板になる」とアピールポイントとしている。
<日本にはスーパーハイルーフ仕様を導入>
助手席側はBピラーレスの大開口スライドドアを採用し、長尺物の出し入れもスムーズにできる。また乗員スペースと荷物スペースを完全に隔離する引き戸式のパーテーションパネルを採用、助手席もワンタッチで作業机になるなど、物流現場で想定される様々なニーズに応える。
<ピラーレスの大開口スライドドアを採用>
ヤマト・インダストリーで車両開発を担当する柳井克之取締役は「中国製の安価なEVが導入されてきているが、我々は日本市場に中国車を右ハンドル化して導入するだけではなく、日本のニーズをしっかり踏まえて、ものづくりをきっちりと行うビジネスを日本で展開したい」とコメント。
また、同社は今後、完成車事業以外にも、ディーゼル車のEV化改造やEV用電池を活用した蓄電池事業にも取り組む予定。「我々は自動車メーカーではない。なので、自動車メーカーの固定概念にとらわれない自由な発想で日本の電動モビリティの将来を変えていきたい」(池添取締役)と期待を語った。
■EV48 主要諸元