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2024年01月12日 14:51 / 経営
東京商工リサーチは1月12日、2023年に倒産した道路貨物運送業は前年比32.2%増となる328件で、過去10年で最多になったと発表した。
300件を上回るのは2014年(310件)以来9年ぶり。特に12月は41件発生し、2013年6月以来、10年6か月ぶりに月間40件台となった。
<道路貨物運送業の倒産件数・負債額推移>
このうち、燃料費の高騰など物価高が影響した倒産が121件(75.3%増)。燃料サーチャージ制などの導入も一部では進むが、小・零細企業では荷主との力関係から交渉が難航し、上昇する燃料費の価格転嫁が進んでいないことがうかがえる。
また、ドライバーなど人手不足関連倒産は41件(127.7%増)と大幅に増加した。「求人難」が16件(前年5件)、「人件費高騰」が14件(前年1件)と急増。人手確保のための人件費上昇も大きな負担になっている。
「21024年問題」を目前に控え、価格転嫁が進まないまま、燃料費の高騰と人手不足が業界に大きなダメージを与えているといえるだろう。
原因別では、「販売不振」が237件(36.2%増)で、全体の7割(72.2%)を占めた。その他「既往のシワ寄せ(赤字累積)」が35件、「他社倒産の余波」が15件、「事業上の失敗」と「運転資金の欠乏」が各10件となった。
<2023年道路貨物運送業 原因別倒産状況>
「不況型」倒産(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)は、275件(31.5%増)で全体の8割を占めている。
形態別は、消滅型が306件(31.8%増)で、破産が299件(32.8%増)と全体の9割(91.1%)を占めた。特別清算は7件(前年同数)だった。
再建型は、民事再生法の8件(前年同数)にとどまる。このほか、取引停止処分が14件(75.0%増)だった。
<2023年道路貨物運送業 形態別倒産状況>
資本金別では、1千万円以上は90件(11.7%減)と前年を下回ったが、1千万円未満は238件(63.0%増)と大幅に増加。内訳は「百万円以上5百万円未満」が96件(68.4%増)で最多。「5百万円以上1千万円未満」が86件(86.9%増)、「個人企業他」が40件(5.2%増)、「百万円未満」が16件(220.0%増)。価格転嫁が難しい小・零細事業者の倒産が目立っている。
<2023年道路貨物運送業 資本金別倒産状況>
従業員数別は、10人未満が212件(26.1%増)で、全体の6割超。内訳は「5人未満」が148件(12.1%増)と多い。「5人以上10人未満」が64件(77.7%増)、「10人以上20人未満」が58件(41.4%増)、「20人以上50人未満」が47件(51.6%増)、「50人以上300人未満」が11件(37.5%増)だった。
<2023年道路貨物運送業 従業員数別倒産状況>
負債額別は、1億円未満が189件(23.5%増)で全体の約6割。内訳は「1千万円以上5千万円未満」が130件(21.4%増)、「5千万円以上1億円未満」が59件(28.2%増)。
負債1億円以上は139件(46.3%増)と前年の1.4倍に増加した。内訳は「1億円以上5億円未満」が116件(45.0%増)、「5億円以上10億円未満」が17件(54.5%増)、「10億円以上」が6件(50.0%増)だった。
<2023年道路貨物運送業 負債額別倒産状況>