TDB/物流の2024年問題、約7割の企業がマイナス影響を見込む
2024年01月26日 18:15 / 施設・機器・IT
帝国データバンクは1月26日、2024年問題に対する企業の意識調査結果を発表した。
調査は12月18日~1月5日に実施し、全国2万7143社を対象に行い、1万1407社から回答を得たもの。
まず、時間外労働の上限規制が適用されることによって生じる人手不足や、輸送能力の低下などが懸念される「2024年問題」全般についての質問では、「マイナスの影響がある」企業は59.9%となった。他方、「影響はない」は22.3%、「プラスの影響がある」は1.6%となった。
これを、さらに「物流の2024年問題」に限ると、「マイナスの影響がある」企業が68.6%となった。このうち、運輸・倉庫企業では、「マイナスの影響がある」は73.6%で他の業種とそれほど大きな違いはないが、「プラスの影響がある」は9.3%で他業種と大きく異なる回答となっている。運輸・倉庫全体ではマイナスの影響の方が多いと見る企業が多いものの、プラスと捉える企業も他業種よりは多く、見方が二極化しているといえる。
<2024年問題への影響>
一方、「2024年問題」に対する具体的な影響として、運輸・倉庫企業では「人件費の増加」「人手不足の悪化」を挙げる企業が多い。また当然のことながら「労働環境の改善」は建設業と並んで多い。
<2024年問題全般に対する具体的な影響>
物流の2024年問題への対応を行っている企業は、予定を含めて62.7%。その具体的な対応策は、運送費の値上げが最も多いが、運輸・倉庫業では「ドライバーの確保・育成」53.6%、「労働環境の改善」41.4%、「荷待ち・荷役時間の把握・削減」32.4%などの項目が他業種と比べて大きい。特にドライバーの人手不足は大きな課題となっているため、その対応に注力する傾向が読み取れる。
なお「荷待ち・荷役時間の把握・削減」は、運輸・倉庫は高いものの、小売(6.2%)、製造(12.2%)、農・林・水産(9.1%)など総じて荷主側企業からの対策意識が低い。
<「物流の2024年問題」への具体的な対応策>
「2024年問題」全般に対して求める支援策や政策などについての質問では、助金や助成金など「金銭的支援」(34.0%)と「人材育成・確保支援」(32.3%)が3割台で上位。「高速道路料金などの見直し」(29.3%)や「時間外労働の上限規制の猶予期間の延長」(26.6%)、「ルールなどの周知徹底」(21.5%)が2割台で続いている。
自動運転やロボット技術など「新技術開発支援」は低位にとどまるが、「高速道路での自動運転の新技術開発など、単に補助金を出すことなどではなく、先を見据えた対策を支援する体制を国に設けてほしい」(メンテナンス・警備・検査、静岡県)といった前向きな意見も寄せられている。
<求める支援策や政策>
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