大和輸送/ベトナム国籍の特定技能ドライバーを採用

2025年10月10日 13:31 / 労務

大和運送(埼玉県行田市)はこのほど、ベトナム国籍のブイ・チョン・ギアさん(25歳)を特定技能ドライバー第1号として採用した。

<大和輸送の坂本篤子社長とブイ・チョン・ギアさん>
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今回、2024年末に解禁された特定技能制「自動車運送業分野」(いわゆる外国人ドライバー制度)に特化した登録支援機関「テトラ・シフト」が就職をワンストップで支援した。また、準中型運転免許の教習は、ベトナム人通訳がいる「羽生モータースクール」が支援した。

テトラ・シフトは国内の2つの指定自動車教習所(埼玉県の羽生モータースクールと徳島県の広沢自動車学校)をルーツに持つ、出入国在留管理庁の認可を受けた登録支援機関。このうち、羽生モータースクールとかねてから取り引きのある大和輸送へ特定技能制度について提案し、採用が実現した。テトラ・シフトが条件に合う複数の人材を大和輸送へ紹介し、複数回の面接を経て、ギアさんが着任した。

ギアさんは2019年に技能実習生として来日。2025年まで、自動車整備士として経験を積み、今回「新しい仕事に挑戦をしてみたい」と特定技能(自動車運送業)分野の求人に応募をした。元々、日本免許を取得していたことも強みで、入社に合わせて準中免許を取得し、約1カ月の研修を経て、現在は単独乗務を始めている。

元々、日本国内に居住しており、既に日本の普通運転免許を取得していたギアさんの最大の課題は、在留資格「特定技能(自動車運送業分野)」を取得するために必須である「技能評価試験」の合格だった。この試験は、外国人ドライバー制度のために新たに作られた試験で、トラック区分の場合、「運行」「荷役」「安全衛生」の分野から50問の出題がある。問題は基本的に日本語で出題され、「固縛」や「点呼」「周縁アップ方式」といった業界用語が理解できないと回答できないことから、対策が課題となっていた。

テトラ・シフトは、技能評価試験に完全対応したオリジナルテキストを自社で作成・販売しているほか、実際の受験者に出題内容のヒアリングを行い、過去問をデータベース化するなど、試験合格のための国内トップレベルのノウハウを有している。ギアさんは、テトラ・シフトで3時間の試験対策特別講義を行い、無事に1回で試験に合格できた。その後も、テトラ・シフトでは、ギアさんが本人契約できる物件探しや賃貸借契約の支援、過去の納税状況の確認、生活相談、業務に必要な免許取得支援などを行い、無事に着任に至った。

大和運送の坂本篤子社長は、「弊社としても分からないことばかりで大きなチャレンジとなったが、現場が特定技能ドライバーを積極的に受入れてスタートを切ることができたことが最も大きかった。特に、現場のマネージャーがギアさんに対して他の社員と平等かつ面倒見良く接したことで、大きなトラブルも無く業務に定着できた。特定技能人材の受入れは初めての上、伝票を確認するなど日本語力も必要なため不安な部分もあったが、弊社で別の業務で外国籍人材の受入れ実績があり、スマートフォンの翻訳ツールを使うなど、現場に意思疎通のノウハウがあったことも、スムーズな受け入れにつながった」と述べた。

その上で、「マネージャーからは、『入社時には書けなかった日報が日本語で書けるようになった』『自分から積極的に配達先のことを聞きに来るようになった』などと聞いており、成長を実感している。本人からはけん引免許の取得にも取り組みたいと前向きなコメントがあるなど高いモチベーションで仕事をしており、今後の活躍に期待している」とコメントしている。

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