T2/セブンイレブン、三井物産流通グループと自動運転トラックでの長距離輸送実証を開始
2025年12月01日 16:04 / 経営
T2、セブン-イレブン・ジャパン、三井物産流通グループ(MRG)は12月1日、コンビニエンスストア・スーパー業界では初となる、レベル2自動運転トラックを用いた長距離輸送の実証を共同で開始した。
<左からセブン-イレブン・ジャパン 山口 繁 執行役員 QC・物流管理本部長 、三井物産流通グループ 柴田 幸介社長 、T2 熊部 雅友CEO>

この実証では、MRG埼玉第二センター(埼玉県新座市)からMRG関西センター(兵庫県尼崎市)まで、「セブンプレミアム」の常温商品(傘、カップみそ汁、キッチンペーパー、ソフトパックティッシュなど)をT2の自動運転10tトラックで輸送。新座市から尼崎市までの走行区間は約520kmで、このうち東名・綾瀬スマートIC~名神・尼崎IC間の約450kmで自動運転を実施する。
セブンイレブン・ジャパンが実証テーマの設定および対象商品の提供、MRGが物流拠点の提供、積込み・荷卸し、運行スケジュール管理、輸送前後のオペレーションを含む物流の統括、T2が自動運転トラックの提供、走行データの収集・分析、技術検証を担当。実証は、12月1日から来年4月まで計3回実施される。
さらにこの実証では、学校給食や一般家庭などから回収した使用済みの食用油をもとにしたバイオ燃料を軽油に混合した「B5軽油」を店舗配送車に試験導入するセブンイレブンの「サーキュラーエコノミー」の取り組みを拡大し、自動運転トラックの燃料として活用。環境に配慮した輸送の実現についても3社で検証する。
T2はこれまで約40社とレベル2自動運転トラックを用いた実証を重ね、今年7月からは国内初となる商用運行を関東~関西間で開始。現在は9社まで拡大している。T2の熊部雅友CEOは「セブン-イレブンジャパン様、三井物産流通グループ様にも、今回の実証を契機に、ぜひこの商用運行にご参画いただきたい」と期待を語った。
また、三井物産流通グループの柴田幸介社長は、今回の実証で3点を検証したいと説明。「1つ目は自動運転トラックによる長距離走行を安定的に行い、天候や道路の状況に左右されないか。2つ目は自動運転導入時の配送所要時間。配送のリードタイムへの影響。3つ目は、自動運転を組み込んだ運行オペレーションの有効性。積み込みや荷下ろし、こういったことも含めたトータルの運行を確認をし、ドライバーとのスムーズな連携に関しても確認をしていきたい」。さらに、今回の実証を経て「T2の商用運行への参画、レベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービスへの参画も今後検討していきたい」とした。
セブン-イレブン・ジャパンの山口 繁 QC物流管理本部長は「取り扱い品目が非常に多岐にわたるコンビニエンスストアという業態にとって、物流はビジネスの生命線といっても過言ではない」とし、「将来の物流危機に向けてドライバーの負荷軽減を図るために、拠点間輸送において高速道路での自動運転トラックの実施を開始する」と実証の狙いを説明。さらにバイオ燃料を使用することで「人手不足への対応や環境負荷軽減を図り、持続可能な物流体制の構築を図っていきたい」と期待を語った。
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