全ト協/ドライバーの睡眠時無呼吸症候群スクリーニング検査でチラシ作成
2025年05月20日 17:09 / 労務
全日本トラック協会は5月20日、事業者に対して、ドライバーに睡眠時無呼吸症候群(SAS)のスクリーニング検査を進めるチラシを作成した。
SASは、睡眠中に頻繁に呼吸が止まったり、止まりかけたりする状態(睡眠呼吸障害)が繰り返されるために、質の良い睡眠が取れず、日中に強い眠気や疲労等の自覚症状を伴う病気だが、自分では自覚しにくい危険性がある。
SAS患者は、居眠り運転を起こす危険性がある上、治療をせずに放置すると命にかかわる合併症(高血圧、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞等)を引き起こすおそれもある。これらの疾病は、運転中の突然死にもつながる健康起因事故の主原因でもある。
また、2022年4月から、SASが原因と疑われる事故が発生した際、自動車事故報告書の「推定原因」に事故の原因として疑われる疾病名を明記し報告すること、さらに、2025年4月からは、事故前後のSASを含む健康に関するスクリーニング検査の受診状況について報告するよう「自動車事故報告書等の取扱要領」が一部改正された。
検査の頻度は3年に一度が目安。雇い入れ時のほか、職種変更や体重が急増したような場合にも検査を勧めている。一度に全員の受診が難しい場合は、リスクの高い人から優先順位を決める。
全ト協では、大切なドライバーが健康に長く働けるよう、また、健康起因事故を起こさないために、SASスクリーニング検査を受診させて、SASの早期発見・治療を行うことを呼び掛けている。
また、全ト協や、各都道府県トラック協会ではSASスクリーニング検査助成事業を実施している。さらに、SAS対策に取り組みたい事業者には、SAS対策セミナー(WEBオンライン)を実施している。
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