T2/JR貨物と31フィート共用コンテナ開発「モーダルコンビネーション」実証
2025年06月23日 17:07 / 施設・機器・IT
T2、JR貨物、日本通運は6月20日~24日、日本国内で初めてとなる自動運転トラックと貨物鉄道を組み合わせた「モーダルコンビネーション」の実証を行う。
自動運転トラックとJR貨物が協業することにより、主要幹線の複線化や時間帯別配送などのサービス拡充、災害発生時の相互補完、結節点機能強化などを図り、ドライバー不足の解消を目指す施策。6月23日、JR貨物の隅田川駅で共同記者会見を実施した。
今回、T2とJR貨物は共同で、自動運転トラックと貨物列車の双方に積載可能なスワップボディコンテナを開発した。JR貨物で利用するコンテナは、最大積載量が5トンであることから「ゴトコン」と呼ばれる12フィートコンテナが主力で、一部区間で20フィートコンテナを限定運用している。一方で、顧客からは、10トントラックとほぼ同じ容積率を持つ31フィートのニーズが高いため、31フィートのスワップボディコンテナを作成した。
スワップボディコンテナは、トラックの車体と荷台を分離することができるコンテナで、政府も普及促進しているが、既存の31フィートコンテナは、T2のトラックには、ハリの位置、加重を支える位置が違うため、そのままでは乗らない課題があった。そのため、T2のトラックと鉄道の両方で活用できるコンテナを新たに開発した。
通常、20フィートから40フィートまでの大型コンテナを移動するには、「トップリフター」という国内でも最大級のフォークリフトが必要となるが、貨物駅からトラックに積み替えたコンテナを受け取る荷受け側には、「トップリフター」がない。
そこで、トラックに積み替えたコンテナは、荷受け先でコンテナにつけた6本の脚を出すことで、コンテナ自体が自立する構造となっている。コンテナを自立させる際に、補助板を使って、コンテナの位置を高くするほか、トラック自体の車高を50cm程度変化させる機能を使って、「トップリフター」がない場所でのコンテナ活用を可能にした。
実証実験では、雪印メグミルクの常温品を北海道~関西間で輸送。T2が開発したレベル2自動運転トラックによる幹線輸送に取り組みつつ、今後、T2が2027年から開始を予定しているレベル4自動運転トラックを用いたモーダルコンビネーションも視野に入れ、国内初となる新たな輸送モデルが確立できるか検証をする。
雪印メグミルク物流拠点(北海道)から札幌貨物ターミナル駅(北海道)までは日本通運のトラック、札幌貨物ターミナル駅から隅田川駅(東京都)まではJR貨物の貨物列車、隅田川駅から高速道路・IC前後の一般道、百済貨物ターミナル駅(大阪府)までは、T2のレベル2自動運転トラックが運行。最後の百済貨物ターミナル駅から雪印メグミルク物流拠点(大阪府)までは日本通運のトラックが担当する。
実証実験では、「隅田川駅における貨物列車からT2のトラックへの共用コンテナの積み替え作業」「北海道~関西間における一貫オペレーション」「自動運転トラック輸送区間を中心とした輸送品質」をそれぞれ検証する。
T2の森本成城社長CEOは、「現在、自動運転トラックは台数がないので出来ることが限られている。ただ、将来、2000台のトラック保有を目指しており、そのうちの1割から2割のトラックをスワップボディコンテナ対応にできれば、災害時の代替輸送に使うための車両も出てくる。また、JR貨物は北海道から九州までを運んでいる。その中のどのエリアを、自動運転トラックで運ぶのかということも考えられる。いろんな要素を組み合わせていくと、柔軟でかつ強靭な輸送モデルを一緒に作っていけると期待している」と述べた。
JR貨物取締役兼常務執行役員の土井広治鉄道ロジスティックス本部長は、「モーダルコンビネーションは、トラックや鉄道、船といった各輸送モードの特性をうまく生かしてながら、組み合わせることで、お客様の利便性を高めたり、災害時のBCPに活用できる。東京~大阪間は、需要が多く、災害時に物流が止まると影響も大きい。鉄道輸送とトラック輸送で複線化ができれば、鉄道輸送では対応できない柔軟な配送時間への対応といったことも考えらえる」とモーダルコンビネーションのメリットを説明した。
なお、今回の実証実験は、2024年11月に発表した、日本通運・全国通運・日本フレートライナー・JR貨物・T2の5社による自動運転トラックと貨物鉄道を組み合わせたモーダルコンビネーション実証実験計画を実行した取り組みとなる。
■スワップボディコンテナ車両利活用促進に向けた検討会(国交省)
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