国交省/人手不足に対応、自動車整備士資格の実務経験年数を短縮
2025年07月08日 17:36 / 施設・機器・IT
国土交通省は7月8日、自動車整備を取り巻く環境の変化を踏まえ、自動車整備の事業規制について必要な見直しを行った。
今回、「認証工場の機器要件の見直し」「指定工場(大型)の最低工員数の緩和」「自動運転車の検査員要件の強化」「自動車整備士資格の実務経験年数の短縮」「『電子』点検整備記録簿の解禁」「オンライン研修・講習の解禁」「スキャンツール等による点検可能範囲の拡大」の7項目を変更した。
自動車整備士資格の実務経験年数の短縮では、2級、3級、特殊の自動車整備士資格を取得するために必要な実務経験期間を短縮した。具体的には、2級自動車整備士は3年を2年、3級自動車整備士は1年を6カ月、特殊自動車整備士は2年を1年4カ月に短縮する。
自動車整備士資格を取得するためには、「自動車整備士技能検定規則」に定めるところにより、「実務経験を満たし」、「技能検定試験に合格する」必要がある。専門学校等(一種養成施設)を修了した場合には実務経験は免除されるが、整備作業が「機械中心」から「電子中心」となり、作業経験よりも座学が重要となっているといった課題があった。
また事業者からは、高校生が3級自動車整備士資格を取得後、2級取得までに3年を要するのはあまりに長く、そのことが理由で自動車整備士をあきらめる若者もいる。若者が自動車整備士を目指しやすい資格体系とすべきといった意見が寄せられていた。
さらに、今回、指定工場(大型)の最低工員数を緩和した。「自動車整備事業の取扱い及び指導要領について(依命通達)」に定める指定自動車整備事業の指定に係る設備等の基準について、対象自動車の種類に大型車を含むものであって、省力化機器を保有するなど一定の要件を満たす場合には、工員数を「5人以上」から「4人以上」に緩和した。
一定の要件は、「省力化設備・機器が導入されていること」「合理的な管理体制が適切に確保されていること」「工員の処遇が確保されていること」「工員の質が適切に確保されていること」の4点。
指定工場が最低限配置すべき工員数は、通達により定められている。また、最低工員数は、点検整備・検査における分業体制を考慮して定められているが、近年、省力化のための設備・機器が普及してきた。さらに、近年、人手不足で最低工員数を満たせないため、指定を返上する事業者も生じているといった課題があった。
また、事業者からは、最低工員数を満たせず指定を返上せざるを得ない。地域の整備能力が不足するおそれがある。一方で、単純な緩和は、点検整備・検査を適切に実施できない事業者を生むおそれがる。そこで、整備の省力化等を前提に、指定工場の最低工員数の緩和を検討してもよいのではないかといった意見が上がっていた。
そのほかの変更点の具体的な内容は、下記のリンクを参照。
■これからも自動車を安心・安全に使用できる社会に向けて
~時代に合わせた整備事業規制のアップデート~
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha09_hh_000341.html
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