全日本トラック協会が8月18日に公表した2024年度版「トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」によると、トラックドライバーの1カ月平均賃金は36万300円で前年より7.4%増、年間賞与の1カ月平均額を加えた月額では40万4100円(6.3%増)となったことがわかった。
職種別の賃金+賞与の1カ月平均では、「けん引」が46万800円で最も高く、以下「大型」「準中型」「普通」「中型」の順。牽引と中型の賃金の差額は1カ月平均賃金で8万1500円、年間賞与を加えた月額では10万4500円となった。
<職種別平均賃金・年齢・勤続年数>

トラック運送事業従業員の平均年齢は、男性運転者が49.7歳(前年49.0歳)と上昇。事務員、荷扱手、整備・技能員までの職種を含めた男女あわせた全職種の平均年齢は48.5歳(同47.6歳)となった。
運転者の賃金1カ月平均を地域別に見ると、男性は関東の37万4700円、女性は近畿の32万5300円が最も高かった。一方、最も低いのは男女とも沖縄で男性が26万2300円、女性が18万1000円。また北海道では男女とも、男性では沖縄、女性では中国の賃金が前年よりも減少した。
<運転者・運転者以外のブロック別平均賃金・年齢・勤続年数>

運転者の賃金構成では、歩合給(運行手当等)や時間外手当(早出、残業、深夜、休日出勤手当等)などの変動給の占める比率は、事務員、荷扱手、整備・技能員までの職種を含めた全体では33.3%。このうち男性運転手では「大型」が最も高く、47.1%。最も低いのは「普通」で26.5%だった。
<職種別賃金構成>

変動給の内訳では、男性運転者の平均は歩合給の割合が44.9%、時間外手当の割合が48.5%となっている。また、歩合給の割合が最も高いのは大型運転者で、50.6%と約半分を占めた。
<変動給の内訳>

賃金(賞与を含む)を年齢階級別に指数でみると、20~29歳を100とした場合、男女総合の全職種平均で50~59歳が126.8で最大。次いで40~49歳の125.8となった。
<年齢階級別賃金(賞与を含む)>

この調査は、2024年5・6・7月に支給された給与の1カ月平均額及びその時点における労働時間、福利厚生等の実態について、2024年10月から11月にかけて、全国貨物運送事業者を対象に実施したもの。有効回答事業者数は565社。なお調査結果については、前年までは特積事業と一般事業に分けて公表していたが、今年度からは特積事業と一般事業を統合した調査結果として公表している。
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