国土交通省など/荷主等に燃料価格下落時のトラック運送業の適正取引徹底を要請

2025年12月26日 16:43 / 経営

国土交通省、中小企業庁、公正取引委員会は12月22日、全日本トラック協会など関係団体に対して、「燃料価格下落時におけるトラック運送業の適正取引の徹底について」の要請を発した。

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荷主や元請運送事業者等の発注者に対して、「燃料価格の下落を契機として、他のコスト上昇分を考慮せずに燃料価格の下落のみをもって一方的に取引価格の低減を行うこと」「運送受託者からコスト上昇を理由に価格協議を求められたにもかかわらず、燃料価格の下落を理由として当該協議に応じず一方的に代金決定を行うこと」は、取適法に違反するおそれがあると注意喚起した。

その上で、「燃料価格が下落している場合であっても、運送の委託先や再委託先等に支払う運賃・料金が、これまでの物価や労務費等の上昇分を適切に転嫁した水準を満たしたものであるかを確認し、価格低減の必要性等について慎重に判断すること」を要請した。

運送受託者(実運送事業者等)に対しては、燃料価格の下落に伴うコスト減のみならず、物価や労務費等の上昇に伴うコスト増も発生していることを踏まえ、経済の実態が反映されていると考えられる公表資料を基礎として、自社事業の原価計算に基づき算出した運賃・料金の引上げ額を提示するなど、燃料価格の下落分だけでなく他のコスト増を含めた価格協議を行うことを要請した。

また合わせて、労務費転嫁指針の趣旨を踏まえ、トラックドライバーの給与の引上げを適切に行うことを求めた。

先般の政党間の合意に基づき、軽油引取税の「当分の間税率」は2026年4月1日から廃止され、それまでの間は、軽油に対する補助金の引上げにより、「当分の間税率」が廃止された場合と同水準の軽油価格の引下げ措置が講じられている。

これらの措置による軽油価格の下落に際し、荷主や元請運送事業者等の発注者から、実運送事業者を含めた運送受託者に対して、物流コスト削減等の観点から運賃引下げを要請することが想定される。

一方で、価格交渉では、これまで他業種と比較して進んでいないトラック運送業における構造的な価格転嫁を推進し、物価上昇を上回る賃上げを継続するための原資を確実に確保する必要性も考慮することが重要となる。

各関係者には、来年1月から、新たに、発荷主のトラック運送契約の一部が、中小受託取引適正化法(取適法)の適用対象となることも踏まえ、取適法等の関係法令やこれらに基づき策定されたガイドライン等(トラック運送業における適正取引推進ガイドライン、各業種別の受託適正取引等の推進のためのガイドライン、労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針(労務費転嫁指針))に則った適正な取引を徹底してほしいと要請している。

2026年1月1日から、取適法の対象が特定運送委託まで拡大します。(公正取引委員会)

トラック運送業における適正取引推進ガイドライン(国土交通省)

国土交通省など/トラック業界向け「取適法・振興法」改正ポイント説明会、来年1月19日開催

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