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2023年05月15日 15:52 / イベント・セミナー
東京都内でZEVトラックの大規模な社会実装を目指す「東京プロジェクト」は5月15日、東京・有明で燃料電池(FC)小型トラック出発式を行った。
この東京プロジェクトは、都内にて自動車メーカーや荷主・物流事業者等が実施する大規模社会実装プロジェクト。都を基点に幹線物流からラストワンマイル配送まで商用ZEVトラック(燃料電池小型トラック・燃料電池大型トラック・EV小型トラック・EV軽バン)の導入や、運行管理と一体となったエネルギーマネジメントシステムの構築などを目的にしている。
今回導入された燃料電池小型トラックは、いすゞの小型トラック「エルフ」をベースに、トヨタの燃料電池(FC)ユニットを活用したもの。キャビン下にFCスタック、車両中央の両脇に水素タンクと高電圧バッテリーを搭載し、センター部に駆動モーターを配置している。
<披露された燃料電池小型トラック>
水素と空気中の酸素を化学反応させてFCスタックで電気を作り、その電気を動力源に走行するため、CO2は排出しない。最大積載量3トン未満の小型トラックで、最高速度時速80キロ、10.5kgの水素を搭載し、満充填で約260kmの走行を可能としている。システム最高出力109kW、最大トルク300Nmを発揮するので、ディーゼル車とほぼ同等のパワーを発揮する。
<燃料小型トラックの構造>
なお同プロジェクトでは、冷凍冷蔵バン、平ボデーをはじめ、ドライバン、ウイングバン、ボトルカーなど様々に架装された燃料電池トラックを導入する予定。都では100台以上の燃料電池トラックの導入を目指すとしている。
<テープカットでプロジェクトスタート>
当日は参画パートナーである東京都のほか、幹事企業であるCJPT(コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ)をはじめ、参画する物流・荷主企業(アマゾンジャパン、岩谷産業、コカ・コーラボトラーズジャパン、佐川急便、西濃運輸、セブンイレブン・ジャパン、日本通運、日本郵便、ファミリーマート、福山通運、ヤマト運輸、ローソン)が参加し、導入される燃料電池小型トラックの出発を見送った。
<燃料電池小型トラックの出発を見送る>
席上、まず東京都を代表して、潮田勉副知事が小池百合子都知事のコメントを代読。「エネルギーの安定供給と脱炭素化の両立に向けて、鍵となるのが水素。日本ではモビリティ分野での水素利用が先行しており、都内では燃料電池バスの導入が進んでいるが、バスに続いて実装されるのがトラック。水素の商用車両への活用に向けて、現在、世界が開発にしのぎを削っているが、日本の優れた技術を用い、燃料電池トラックの実装化が進むことは、我が国の国際競争力の強化にも資するもの。東京都も皆様と力を合わせて取り組みのスピードを上げ、水素の供給体制についても検討を進めていく」と期待を語った。
プロジェクトを代表して挨拶に立ったCJPTの濱村芳彦取締役は、「燃料電池トラックの出発式は、我々がダウンタイムと呼ぶ、トラックの停滞時間低減を実現させる運行管理と一体となったエネルギーマネージメント開発の本格スタートを意味する。電動車、エネルギーマネジメントシステムの実装を通じて、物流、荷主企業の困りごとを一つ一つ解決し、スムーズな電動車導入の環境を力を合わせて整えていくことが、持続可能社会の構築に向けた確実な一歩だと考えている」とし、
「この出発式を一つのマイルストーンに、皆様とより一層強力な関係を築き、直面する課題を産業発展、国際競争力強化のチャンスと捉え、プロジェクトの成功に向けて進めていきたい」と期待を語った。
また物流・荷主など参加企業からは「我が国のCO2排出量のうち、運輸部門は約18%を占めており、脱炭素に向けた早急な対応が必要になっている。本実装を通じて電動車導入における課題や解決手段を検証するとともに、社会コストの低減、ならびにカーボンニュートラルを実現していきたい」と共同文が読み上げられ、プロジェクトの成功を祈念した。