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2023年06月15日 15:12 / 施設・機器・IT
パイオニアは6月15日、企業の「安全運転管理者」の実態に関するアンケート調査の結果を発表した。
調査は、社有車を5台以上所有する白ナンバー事業者で、企業で車両管理もしくは安全運転管理業務を担当する方150名を対象に、安全運転管理者業務の取り組み状況や課題に関して回答を得たもの。
結果として、昨年4月に義務化された白ナンバー車両使用事業者のアルコールチェックの実施率が55.8%に留まっており、その他の義務化されている管理業務については半数を大きく下回った。また「日々の書類作成・管理を伴う業務が大きな負担になっている」「情報管理がアナログな手法で行われている」ことがわかり、それらの要因が安全運転管理者の負荷増大および管理業務遂行の妨げになっていると推測される。
その一方で、それらの課題解決に向けて、多くの企業が管理業務の効率化につながるDX・ITツール、車両管理システムの導入を検討するなど、各企業の改善意識は高いことが確認できたとしている。
<直近1年間で社有車に関して会社として意識が高まったと感じる項目は?>
直近1年間で社有車に関して会社として意識が高まったと感じる項目については、「運転者への法令遵守徹底意識」が47.3%と最多。次いで「車両管理・安全運転管理業務の強化意識」が44.0%と、企業として車両管理業務の徹底・見直し意識が高まっている様子が伺える。
<実際に行っている/負担に感じる安全運転管理業務は?>
実際に行っている安全運転管理業務については、22年4月に施行された道路交通法の改正に伴って「アルコールチェック」の実施率が最も高かったものの、55.8%と全体の約半数に留まっている。
さらに、実際に行っている業務と負担に感じる業務についての回答を比べると、「運行計画の作成(ルート作成・人員配置)」や「ドライバーとの連絡・指示」といった、自動化しづらい業務が負担となりやすいことがわかった。
<安全運転管理業務を行う上で課題に感じることは?>
業務を行う上での課題は、「情報管理がアナログなので記録や確認が手間」「各種データの管理方法がバラバラで突合が手間」「ドライバーから集める書類に提出・記入漏れがある」といった情報の収集・記録・管理に関する内容が上位。車両運行に関する書類を作成・管理する業務が、安全運転管理者の大きな負担となっていることが伺える。
また、車両管理台帳と運転日誌、運転者台帳と運行計画など、別々の書類を突き合わせる際に、各種データの管理方法が揃っていないことも業務を非効率にする要因となっており、安全運転管理業務の運用・管理を徹底するために、データ管理の効率化・業務工数の削減・運用の仕組み化が求められている。
ちなみに、情報管理に使用しているツールについては、いずれの項目でも「紙の書類」ないし「Excel」「Word」という回答が6〜7割を占めている。
<管理者向けシステムの導入・改善の予定は?>
今後の意向については、「管理者向けシステムの導入・改善」に取り組む予定が78.0%、「運転者向けシステムの導入・改善」に取り組む予定が80.0%と、システム導入に対する関心が高い。管理者向けシステム・運転者向けシステムともに「3年以内に導入予定」という回答が60%以上を占めており、中でも車両を51〜300台規模で保有している企業では「今後1年以内にシステム導入予定」の割合が高く、中規模〜大規模の企業を中心に今後ますます車両管理システム等の導入が進むと考えられる。