セイノーHDなど/長崎県の離島でドローン配送の実証実験を実施

2023年12月01日 15:03 / 施設・機器・IT

長崎県松浦市、セイノーホールディングス、エアロネクスト、NEXT DELIVERY、KDDIスマートドローンは11月29日、松浦市で「離島におけるドローン配送」の実証実験を実施した。

<アジフライなどの食料品を配送した物流専用ドローン”AirTruck”>

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この実証実験は、NEXT DELIVERYとKDDIスマートドローンが連携して、セイノーHDとエアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流「SkyHub」の社会実装の検討に向けて行われたもの。

長崎県の北東部に位置する松浦市は、伊万里湾の沖合に浮かぶ、福島、鷹島、青島、黒島、飛島などの島々で構成。島々は陸路やフェリーでアクセス可能だが、近隣には商業施設が無く、住民の多くは隣接する市街地(唐津市・伊万里市、松浦市)まで車で買い物に行くことが生活スタイルとなっており、高齢化に伴う買い物難民の課題を抱えている。

また、フェリーを必要とする離島においては有事の際などに孤立してしまう可能性もあり、交通手段がない場合の物資輸送の課題もある。

今回の実証実験は、このような背景から、買い物難民問題や有事の際などの孤立問題の解決をすべく、住民の理解度向上、定期飛行に向けた課題の洗い出しを目的として実施されたもの。

松浦市の離島である鷹島を中心に複数の離島を空で連結することを想定して行われ、まず橋で陸続きの鷹島と内地を陸上配送で結び、鷹島島内をドローンとトラックでハイブリッド配送。さらに鷹島から隣の黒島へドローンで即時配送するルートを構築し、緊急物資、買い物サービス、フードデリバリーのシナリオで実施した。

ドローンは、物流専用ドローンAirTruckを使用し、機体の制御には、KDDIスマートドローンが開発したモバイル通信を用いて機体の遠隔制御・自律飛行を可能とするスマートドローンツールズの運航管理システムを活用している。

11月29日に公開された実証実験では、道の駅鷹ら島から船唐津港までの片道約7.3㎞・約16分を、往復で荷物を搭載してドローン配送、また、道の駅鷹ら島から黒島港までの片道約5.8㎞を約13分でドローン配送した。

松浦市の友田市長は「物流の2024年問題など輸送の課題を解決すると言う事、それに合わせて松浦市の3つの有人離島に暮らす住民の生活を支えて、離島で暮らしやすい環境づくりにドローンを活用して支援できればと思う」とコメントしている。

なお、この実証実験は、環境普及機構により2022年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金交付対象事業(社会変革と物流脱炭素化を同時実現する先進技術導入促進事業)として採択されている。

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