国交省/物流の持続的成長に向け、貨物自動車運送事業法等を改正
2024年02月13日 13:49 / 施設・機器・IT
国土交通省は2月13日、2024年問題に対応し、物流の持続的成長を図るための対策として「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案」が閣議決定されたと発表した。
この背景には、現状のままでは物流インフラの維持が困難であることが挙げられる。物流業界は、働き方改革に関する法律が4月から適用される一方、物流の停滞が懸念される「2024年問題」に直面しているが、国交省では、この状況に対応するには荷主企業、物流事業者、一般消費者が協力して、商慣行の見直し、物流の効率化、荷主・消費者の行動変容について抜本的・総合的な対策が必要としている。この法改正によってこの対策を確実なものとし、施行後3年で荷待ち・荷役時間を、年間125時間/人削減、積載率向上による輸送能力16%増加(いずれも2019年度比)を目標としている。
このうち、トラック事業者の取引に対する規制的措置として、貨物自動車運送事業法の一部を改正。元請事業者に対して、実運送事業者の名称等を記載した実運送体制管理簿作成を義務付ける他、運送契約の締結等に際して、提供する役務の内容やその対価(附帯業務料、燃料サーチャージ等)等について記載した書面による交付等を義務付ける。
また、下請けに出すなど、他の事業者の運送の利用の適正化について努力義務を課すとともに、一定規模以上の事業者に対しては、適正化に関する管理規程の作成、責任者の選任が義務付けられることとなった。
なお、軽トラック事業者に対しては、最近6年間で軽トラック運送業での死亡・重傷事故件数が倍増していることから、必要な法令等の知識を担保するための管理者選任と講習受講、国土交通大臣への事故報告を義務付ける。また、国交省による公表対象に、軽トラック事業者に係る事故報告・安全確保命令に関する情報等が追加されることが決定された。
一方、荷主・物流事業者に対する「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律」(物流総合効率化法)は、名称を「物資の流通の効率化に関する法律」に変更。
法案の内容としては、荷主(発荷主・着荷主)・物流事業者(トラック、鉄道、港湾運送、航空運送、倉庫)に対し、物流効率化のために取り組むべき措置について努力義務を課し、当該措置について国が判断基準を策定する。なお、元請トラック事業者、利用運送事業者には荷主に協力する努力義務を課し、またフランチャイズチェーンの本部にも荷主に準ずる義務を課すとしている。そして、この荷主・物流事業者に対し、その取組状況について、国が当該判断基準に基づき、指導・助言、調査・公表を実施するとしている。
<荷主等が取り組むべき措置の例(パレットの導入)>
さらに、一定規模以上の事業者を特定事業者として指定。中長期計画の作成や定期報告等を義務付け、中長期計画に基づく取組の実施状況が不十分な場合は、勧告・命令を実施する他、特定事業者のうち荷主には物流統括管理者の選任を義務付けるとしている。
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