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2024年04月19日 15:07 / 経営
M&Aキャピタルパートナーズが4月18日に発表した物流・運送業のM&Aの意識調査(2024年版)によると、7割を超える物流・運送事業者が業界の先行きはさらに厳しくなると予想していることがわかった。
調査は今年3月にインターネットで行われたもので、物流・運送業の経営者101名が回答。「物流・運送業界の先行きに対して、どのように感じているか」という質問に対し、昨年実施した前回と比べ、「まったくわからない」とした回答が9%から1%に減少、「さらに厳しくなる」との回答が70%から73.3%に増加した。
ただし反対に「先行きは明るい」「現状維持」との回答もわずかながら増加しており、業界の先行きに対しては二極化しつつあるといえるだろう。
<Q1:物流・運送業界の先行きに対してどのように感じているか>
一方、荷主企業に対する値上げ交渉では、「交渉している」が前回の52%から44.6%に減少。「運賃交渉したいができない」は前回の22%から26.7%に増加しており、運送業界の厳しい現状が浮き彫りとなっている。
また「2024問題」の大きな課題であるドライバー不足への対応では、約半数の企業が「すでに実施している」、「実施する具体的な予定がある」とし、「ドライバー賃金の向上」(74%)、「労働時間の改善」(58%)が取組みとして多く挙げられた。前回調査では労働時間の改善が72.3%で最も多かったが、社会全体の賃上げムードもあり、上位2つが入れ替わる結果となっている。
労働時間改善のための取組みとしては、「荷役・荷待ち時間削減の交渉」が62.1%で群を抜いて多い。2位は「給与条件や待遇改善による採用強化」で、過半数を超えたのはこの2つだけであった。
「行っている取り組みによって、労働時間(生産性)の改善が充分に解決できていると思いますか」という問いに対しては、62%以上の企業が「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答。多くの企業が労働時間改善については一定の実績を挙げているものと認識しているようである。
ただ、厳しい経営環境にさらされる中でも、M&Aなどを考えている企業はあまり多くない。他社とM&A等を検討したことはあるか、という問いに対して前回の調査では16%が「はい」と答えたが、今回の調査でも16.8%とわずかな増加に留まっており、環境変化に対して自力で乗り切ると考えている企業が多いようである。
<Q7:運賃交渉や労働時間のような経営課題を解決するために他社とM&Aなどによるパートナーシップを検討したことがあるか>