公取委調査/道路貨物運送業の価格転嫁率、未だ低水準で推移

2024年12月20日 13:08 / 経営

公正取引委員会が12月16日に公表した「2024年度価格転嫁円滑化の取組に関する特別調査」によると、道路貨物運送業では価格転嫁を要請しても、取引価格が引き上げられない事例が未だに多いことがわかった。

この調査は、昨年6月から今年5月にかけて43業種を対象に実施したもの。その結果、価格転嫁を要請し取引価格が引き上げられた割合は、全業種平均では前年度調査より5.8ポイント高い80.7%だったが、道路貨物運送業は68.5%と低水準に留まった。

また、道路貨物運送業をサプライチェーンで見ると、発注者の立場で同業種の受注者からの価格転嫁を受け入れていないと回答している割合が高い。

この傾向は、同じように取引価格が引き上げられた割合が低い映像・音声・文字情報制作業(70..3%)、ビルメンテナンス業・警備業(70.2%)、放送業(56.9%)なども同様で、これら多重委託構造となっている業種では、価格転嫁が円滑に進んでいないことがわかった。

<価格転嫁が円滑に進んでいない業種のサプライチェーンの例>
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公取委では、労務費の転嫁率がサプライチェーンの段階を遡るごとに低下している実態から、労務費転嫁交渉指針の認知度を高めるために引き続き積極的な周知が必要としている。

■「令和6年度価格転嫁円滑化の取組に関する特別調査」の結果について (pdf)

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