全ト協/「標準的運賃を知らない」荷主が42.5%(2024年問題調査)

2025年04月08日 16:31 / 経営

全日本トラック協会が4月1日に発表した「荷主企業対象 物流の2024年問題対応状況調査」によると、42.5%の荷主が国土交通省が告示した標準的運賃を「知らない」と回答していることがわかった。

また「告示されたことは知っているが、内容はよくわからない」28.1%、「内容は確認しているが、標準的運賃は適用していない」14.8%で、8割以上の荷主が標準的運賃を活用していないのが実状で、「内容を理解し、標準的運賃を適用している」と回答した荷主は14.7%にとどまった。

<標準的運賃の認知状況>
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この調査は、荷主企業における物流の2024年問題への認識度や対応の実態について明らかにするために、2024年11月1日~14日にインターネットで実施したもの。3601事業者が回答した。

過去1年以内における運送事業者からの運賃の値上げに関する資料の提示や要請・交渉状況を聞いたところ、「運賃の値上げに関する資料の提示や要請・交渉を受けた」荷主は63.7%、「受けていない」荷主は36.3%となった。

運賃値上げへの対応では、「値上げに応じた」が94.6%に上った。一方で、「値上げに応じなかった」1.6%、「わからない」2.3%、「その他」1.5%だった。

<値上げに応じなかった理由>
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値上げに応じなかった理由を尋ねたところ、「自社の経営状況が厳しく、値上げに応じる余裕がない」との回答が41.7%と最も多かった。以下、「他の運送事業者と比較して、現在の運賃が適正だと考えている」37.5%、「取引先との契約上、運賃の値上げが難しい」37.5%が続いた。

今後の運賃値上げへの対応の方向性では、「必要であれば値上げに応じる」が70.3%となった。一方で、「値上げに応じるかは未定」16.4%、「値上げに応じるのは難しい」3.7%、「わからない」8.2%、「その他」1.3%となった。

<値上げに応じるのが難しい理由>
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値上げに応じるのが難しい理由を聞いたところ、「自社の経営状況が厳しく、値上げに応じる余裕がない」との回答が47.7%と最多だった。以下、「取引先との契約上、運賃の値上げが難しい」30.2%、「値上げの根拠が不明確である」19.8%が続いた。

<燃料価格が変動した際の対応状況>
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燃料価格が変動した際の対応状況では、「燃料価格の変動に対応した調整は行っていない」が38.6%と最多だった。一方で、「燃料価格の変動に応じて、その都度運送事業者と協議し、運賃を調整している」22.0%、「燃料価格の変動に関わらず、定期的(年1回など)に運賃の見直しを行っている」12.7%、「燃料サーチャージを設定し、燃料価格の変動に応じて自動的に調整している」7.4%となり、何らかの対応を行っている回答が全体の約4割を占めた。

物流の2024年問題対応状況調査結果

全ト協/荷主企業の63.4%「物流管理部門も担当者も設けていない」(2024年問題調査)

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