Hacobuは、一橋大学と共同で実施した実証研究「物流の2024年問題がトラックドライバーの働き方に与える影響」の研究成果を、9月21日に開催された労働政策研究会議で公表した。
この研究は、2022年から2024年までの延べ20万件に及ぶ、Hacobuの動態管理サービス「MOVO Fleet」に蓄積された運行データをもとに、2024年4月に施行された自動車運転者の時間外労働時間の上限規制(年間960時間)前後における労働時間や長時間運行の変化を、従来にない粒度で明らかにしたもの。
<労働政策研究会議での発表>

その結果、規制前に長時間運行が多かった事業所では、2023年に最大約4時間、2024年に最大約1時間の運行時間の削減が確認され、特に長時間労働を抱えていた事業所ほど改善が顕著だったことがわかった。
また、2024年4月の規制施行直後よりも、2023年の同時期に運行時間の減少幅が大きいことも確認された。規制が2024年4月から適用されることは約5年前から決まっていたため、事業者は猶予期間を活用して労働時間削減の取り組みを先行的に進めていたものと研究では分析している。
ドライバーごとの分析では、特に長時間運行を行っていたドライバーが、年間で長時間運行を減らす傾向が見られた。結果として、ドライバー間の負担が分散され、労働時間が平準化している傾向が確認できたという。
2024年4月に施行された、自動車運転者の時間外労働時間の上限規制(年間960時間)は、ドライバーのワークライフバランス改善を目指す一方で、輸送能力の低下による物流クライシスへの懸念も広がっている。この課題に対応するには、ドライバーの労働実態を正確に把握することが不可欠だが、従来の公的統計や業界団体による年1回の調査や事業者単位のアンケートでは、日々の運行実態をドライバー単位で捉えることは困難だった。
今回の研究では、システムに記録された日々の運行記録レベルの運行データを用いて労働実態を分析したことで、従来の統計では把握できなかった、事業所・ドライバーごとの継続的な行動変化を可視化することができたとしている。
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