国土交通省/トラック・物流Gメン「集中監視月間」是正指導371件・荷主等パトロール1473件実施

2025年12月23日 13:12 / 経営

国土交通省は12月23日、トラック・物流Gメンによる「集中監視月間」(10月・11月)の取り組みの結果を発表した。是正指導件数は371件、荷主等パトロールは1473件実施した。

<荷主等へのヒアリングの様子>
20251223gmen1 - 国土交通省/トラック・物流Gメン「集中監視月間」是正指導371件・荷主等パトロール1473件実施

適正な取引を阻害する疑いのある荷主や元請事業者に対する監視を強化。トラック事業者への「違反原因行為実態調査」や倉庫業者へのアンケート調査のほか、関係機関等からの情報に基づき、適正な取引を阻害するおそれのある荷主や元請事業者等に対し、363件の「働きかけ」(荷主249件・元請事業者78件・その他36件)と7件の「要請」(荷主6件・元請1件)を実施した。

過去「要請」を実施した荷主等のうち、依然として違反原因行為に係る情報が相当数寄せられた大黒天物産(着荷主)については、要請後もなお違反原因行為をしていることを疑うに足りる相当な理由があると認め、違反原因行為を改善するよう「勧告」し、その旨を「公表」した。

今回「勧告」「要請」の対象となった荷主等に対しては、違反原因行為の早急な是正を促すとともに、改善計画の提出を指示した。今後、トラック・物流Gメンによるヒアリングや現地訪問等を通じてフォローアップを行い、「要請」後もなお改善が図られず、違反原因行為をしていることを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、該当する荷主等に対し、「勧告・公表」を含む厳正な対応を実施する。

主な違反原因行為の内訳は、「長時間の荷待ち」39%、「契約にない附帯業務」29%、「運賃・料金の不当な据置き」15%、「無理な運送依頼」6%、「異常気象時の運送依頼」6%、過積載運送の指示・容認5%だった。

<公正取引委員会との合同荷主パトロール>
20251223gmen2 - 国土交通省/トラック・物流Gメン「集中監視月間」是正指導371件・荷主等パトロール1473件実施

また、荷主、元請事業者等に対し、長時間荷待ちの解消等に荷主が配慮することの重要性について理解を得るための周知啓発等の荷主パトロールをGメン調査員等の関係機関と連携し、全国で1473件実施(荷主等への訪問件数)。高速道路のSA・PA等におけるトラックドライバーに対する聴き取りを全国で46回実施した。

さらに、2026年1月に取適法(改正下請法)が施行されることを踏まえ、地方運輸局と公正取引委員会地方事務所等が初めて全国規模で連携し、合同荷主パトロールや高速道路のSA・PAにおいて、改正物流法や取適法の周知啓発活動を全国で34回行った。

10月28日、29日は、全国のトラック・物流Gメンが荷主の本社や着荷主の多い東京に集結し、公正取引委員会やGメン調査員と合同で大規模荷主パトロールを実施し、120社の荷主等へ周知啓発を実施した。

今後、国土交通省、公正取引委員会及び中小企業庁は、物流業界の取引適正化を阻害する行為に対して貨物自動車運送事業法・取適法に基づく執行のシームレスな連携が図られるように3省庁で執行情報の共有を行う連絡会議を定期的に開催することとし、より一層の執行連携に取り組む。

<SA・PAでのドライバーへの聞き取り>
20251223gmen3 - 国土交通省/トラック・物流Gメン「集中監視月間」是正指導371件・荷主等パトロール1473件実施

そのほか、集中監視月間の取組みとして、倉庫業者に「集中監視月間における倉庫業者に対する寄託者の振る舞いに係る調査」を実施し、回答事業者858社のうち、35社(全体の4%)から、取引をしている寄託者の振る舞いがトラック事業者の法令違反を誘発するおそれがある等の事例があると回答があり、トラック・物流Gメンに情報を共有した。

くわえて、これまで本省及び日本倉庫協会にのみ置かれていた倉庫業者向けの通報窓口について、地方運輸局にも設置した。

さらに、都道府県トラック協会のGメン調査員が全国で50件の違反原因行為に該当すると考えられる情報をトラック事業者から収集し、運輸支局のトラック・物流Gメンへ通知した。

■トラック・物流Gメンによる「集中監視月間」の取組を踏まえた国土交通省の対応について
https://wwwtb.mlit.go.jp/chugoku/content/000364308.pdf

国土交通省/トラック・物流Gメン「集中監視月間」長時間の荷待ちで大黒天物産に勧告

経営 に関する最新ニュース

一覧

最新ニュース

一覧