国交省/高速道路料金基本方針を改定、割引等見直しへ
2023年12月22日 17:01 / 交通
国土交通省は12月22日、全国の高速道路料金などについて2014年に策定した「新たな高速道路料金に関する基本方針」を改定したと発表した。
今回の改定では、3つの料金水準(普通区間24.6円/km、大都市近郊区間29.52円/km、アクアラインなど海峡部特別区間108.1円/km)は継続する一方、割引は見直すことで、これまでの取り組みをさらに進展させるとしている。
また、首都高速や阪神高速など大都市圏の料金については、環状道路の整備に合わせたシームレスな料金体系の導入に向け、引き続き料金の見直しを進めるとしている。
一方、料金割引については、実施目的を明確にした上で、効果が高く重複や無駄のない割引とするとともに、生活対策、観光振興、物流対策などの観点を重視しつつ、高速道路の利用機会が多い車に配慮して、これまで通りETC車を対象に見直す。
■平日朝夕割引
朝夕の時間帯に高速道路が混雑するといった課題や、多様化する勤務形態に対応できていないことが課題。このため、交通容量に余裕のある高速道路において、時間帯や曜日を限定せず通勤利用できるよう、平日朝夕割引に代わる割引の検討を進め、試行による効果を検証の上、高速道路が利用される時間帯の分散を図る。
■休日割引
観光需要を喚起し地域活性化を図るため、地方部の普通車以下の休日割引については、割引率を3割として継続。一方、観光需要の分散・平準化のため、休日割引の適用条件を含め、高速道路料金割引の休日と平日のバランスについて見直しを進める。
■大口・多頻度割引
主に業務目的で高速道路を利用する機会の多い車の負担を軽減するため、最大割引率を40%として継続する。ただし、物流事業者の高速道路の利用促進による労働生産性向上のため、2025年3月末までの間は、ETC2.0を利用する自動車運送事業者を対象に、最大割引率を50%に拡充する。
■深夜割引
割引率を3割として継続するが、割引が適用される時間帯に少しでも高速道路上にいれば、全ての走行距離に対して割引が適用されることから、本線料金所などで大型車が滞留するといった課題が生じている状況を踏まえ、深夜割引の対象となる時間帯に走行した距離に応じた割引に見直す。
■アクアライン割引
当分の間、千葉県による費用負担を前提に、現行の終日800円を継続する。
その他、本四高速については他の交通機関への影響などを考慮しつつ、生活対策、観光振興などの観点から現在の料金割引を継続。
高速道路の時間変動料金については、東京湾アクアラインでの実験の効果や影響を踏まえつつ、地域の合意形成を図りながら、カーボンニュートラルに資する渋滞緩和や観光需要の平準化の観点から拡大するとしている。
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