三菱ふそう/欧州向けキャンター生産のトラマガル工場が設立60周年

2024年03月19日 14:45 / 施設・機器・IT

三菱ふそうトラック・バスは3月19日、100%子会社である三菱ふそうトラックヨーロッパ(Mitsubishi Fuso Truck Europe S.A.、本社:ポルトガル・トラマガル)のトラマガル工場が設立60周年を迎えたと発表した。

<MFTE トラマガル工場>

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同工場は、1964年にポルトガル企業のDuarte Ferreira社と、フランスのトラックメーカーであったBerliet社の合弁企業として設立。当初は軍用トラック製造の他、ノックダウン生産を行っており、1980年に当時の三菱自動車工業もポルトガル市場向け車両のノックダウン生産を委託。小型トラック「キャンター」の他、ピックアップトラック「L200」(日本名・トライトン)、バン「L300」(日本名・デリカバン)、SUV「パジェロ」を生産した。

1990年には、三菱自動車ポルトガル社が買収、1996年には三菱自動車工業が同工場を引き継ぎ、欧州市場向け「キャンター」専用の生産拠点とすることを決定。2004 年にはダイムラー社(当時)がMFTBC の筆頭株主となったことに伴い、同工場はダイムラーグループとなった。

2017年に、同工場は欧州市場向けにEV小型トラック「eCanter」の生産を開始。現在は「eCanter」新型モデルと「キャンター」を生産し、2023年には過去最多となる約1万1800台を生産している。

<欧州市場向けの電気小型トラック「eCanter」新型モデル>

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なおトラマガル工場は、2022 年に工場構内の太陽光発電設備などによって、生産活動のカーボンニュートラル化を達成。同工場は環境対策を継続的に見直すことで、二酸化炭素(CO2)の削減量が工場から排出されるCO2を上回る「クライメートポジティブ」な工場となることを目指している。

また、もう一つのサステナビリティへの取り組みとして、水使用量の削減にも取り組み、同工場の新しい水処理設備は、生産サイクルで排出される水の60%以上が再利用できるとしている。

<トラマガル工場の製造ライン>

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さらに同工場は、三菱ふそうトラックヨーロッパ(MFTE)が業界の変化に合わせた新しいスキルを従業員に提供したことにより、3世代、4世代にわたって一家が勤務することも少なくないことも特徴の一つ。2023年には、ポルトガルのトマール工科大学と、MFTEの従業員にトレーニングを提供するパートナーシップを締結し、周辺地域の若い技術者たちに、eモビリティや生産技術の知識を磨くことによって、キャリアアップの機会を提供することを目指している。このプログラムは2024 年後半の開始を予定している。

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