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2024年05月21日 17:04 / 経営
鴻池運輸とNEXT Logistics Japan(NLJ)は5月21日、鴻池運輸の北関東流通センター営業所(群馬県邑楽郡千代田町)と京都城陽配送センター営業所(京都府城陽市)で、25mダブル連結トラック運行出発式を実施した。
鴻池運輸は2021年にNLJに参入。ダブル連結トラックの運行は、NLJが推進する「ドライバー不足によりモノが運べなくなる社会課題の解決」に向けた取り組みの一環で、5月27日より運行を開始する。なお、鴻池運輸のダブル連結トラックの運行は、今回が初となる。
導入されたダブル連結トラックは2台で、高さは3.8m。NLJでは高さ4.1mでより多くの荷物を運べるダブル連結トラックも所有するが、走行ルートが限られることもあり、今回は通常高のトラックとしている。大型トラックと3軸フルトレーラーの組み合わせで、連結はドリー式。このため全長25mと長大だが、通常のセミトレーラーよりも小回りが利くという。
荷物は飲料品で、北関東流通センター営業所と京都城陽配送センター営業所をそれぞれ発着拠点とし、中継地点の新東名高速・清水PAでドライバーを交代して運行する。中継地点は占有施設ではないが、予約を入れたり、状況によっては前後の異なるパーキングエリアなどを使うなど、柔軟な対応をしていくという。当初は1日1便で、日中の運行。1人のドライバーで関東・関西間の全工程を輸送すると1泊2日の工程となるが、中継地点での交代になるとドライバーは日帰り運行ができるようになり、労働環境の改善が見込まれる。またNLJによれば、CO2排出量を年間約32%削減できるという。
なお、当初は飲料品のみだが、今後は食品などとの混載も予定しているとし、NLJの物流最適化ソリューションシステム「NeLOSS」を活用したより高効率な幹線輸送も期待される。
出発式で、京都からオンラインで挨拶した鴻池運輸の倉本博充食品本部副本部長・ロジスティクス戦略委員会委員長は、「物流業は社会インフラそのもの。ダブル連結トラックを確実に運行し、社会に貢献できるスキームをさらに確立していきたい」と今回の取り組みへの期待を語り、「物流業界の新たな一歩に繋がっていくと確信している」と意気込みを見せた。
またNLJの梅村幸生社長CEOは「輸送力不足で物が届かなくなるということは絶対避けたい。日本の物流を支えるこのトラック輸送が成り立たなくなるということを、なんとしても解決していきたいという思いでこの取り組みを進めており、これを乗り越えるためには、やはり物流の生産性を上げることに尽きる」と挨拶。そのような中で両社の取り組みを「日本の課題の解決にぜひつなげていきたい。この一歩がその契機になればと思っている」と力を込めた。
またNLJのパートナー企業であり、ダブル連結トラックのドライバー教育や整備などを担当するユーネットランスの石川清茂副社長は、ダブル連結トラックを有効活用するには、安全運行が基本という。そのためには整備もきっちりと行い、特に「前後の連結部分の部品が消耗するので、1年半から2年で交換しなくてはいけない。整備の際、亀裂はないか、またノギスを当てて40ミリを切ったら交換する、など重点的に見ている」という。ダブル連結トラックの構造ならではの整備ノウハウも求められるといえそうだ。
なお、鴻池運輸とNLJは、6月にも別の運行計画でダブル連結トラック2台の導入を予定。新規導入する2台は、中間地点である静岡県内に配備し、静岡~東京、静岡~関西のルートでの運行を予定しているという。