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2024年09月05日 16:01 / 経営
ブリヂストンのグループ会社であるブリヂストンタイヤソリューションジャパンは、トラック・バス用タイヤのメンテナンス技能を競う競技会「第14回技能グランプリ全国大会」及び輸送事業者へのソリューション提案力を競う競技会「第2回ソリューションエンジニアコンテスト全国大会」を、9月3日・4日に宮城県仙台市で開催した。
2010年の開始から今回で14回目となった「技能グランプリ」は、輸送事業者の安全確保に受けて、高品質な作業を提供できるメンテナンススタッフの継続的育成を目的に開催しているもの。国内1000店以上のブリヂストングループおよび関連のトラック・バス用タイヤ販売店から362名が地区予選に出場、予選を勝ち抜いた代表選手40名が集まり、タイヤメンテナンスの知識や作業スキル、お客様とのコミュニケーション力などを競った。
4日に行われた実技競技は、「パンクしたリヤ左内輪を店保管のスペアタイヤに交換する」という設定。24分の時間内に、ドライバーへの作業内容確認から車輪の取外し・取付け、作業報告書作成まで行う。基本的な作業内容は従来と同じだが、TPMS(タイヤ空気圧監視システム)装着車が増えていることから、今回はその動作確認も新たに加えられた。
結果は、ミスタータイヤマン鞍月店の五万戸 凌さんが最優秀賞を獲得。タイヤサービス茨木店の松本貫太さん、タイヤサービス水島店の瀧本雅樹さんが優秀賞を獲得した。
<技能グランプリで最優秀賞を受賞した五万戸 凌さん(ミスタータイヤマン鞍月店)>
また、同社の技能グランプリでは、高い技能レベルを有するメンテナンススタッフを「技能エキスパート」に認定、その中でも安全性、確実性、迅速性、タイヤメンテナンスの知識等の観点から特に優れた技能エキスパートを「技能マイスター」として認定する。今大会では最優秀賞を獲得した五万戸さんと、「必須作業項目が満点」「作業完了が規定時間以内」「認定試験で規定点以上取得」という条件をすべて満たした高本智之さん(タイヤサービス札幌東店)、平形賢治さん(タイヤサービス港北店)の3名が新たに技能マイスターに認定された。
技能マイスター・技能エキスパートは、メンテナンススタッフのリーダーとして、その知識や技術をグループ全体のスタッフへ伝承する役割も担っているが、今大会では、第9回大会で認定された新見さんと、第10回大会で認定された石川さんの2名の技能マイスターによるメンテナンス技能の研修会も初の試みとして実施。会場に集まった販売店スタッフなど参加者を前に、その技能と知識が披露された。
<初開催となった技能マイスターの技術を伝える「技能マイスタープレゼンテーション」>
一方、今回で2回目の開催となった「ソリューションエンジニアコンテスト」は、輸送事業者の課題を解決するソリューションビジネスの拡大に向けて、提案力のさらなる強化を目指して行われるもの。地区予選に出場した349名の中から予選を勝ち抜いた16名が、契約獲得をゴールにした商談に臨む設定で実施。各選手とも、自作の資料などを用いながら、それぞれの輸送事業者に最適なソリューションを提案する力をロールプレイング形式で競い合った。
<実際の商談を模して行われたソリューションエンジニアコンテスト>
結果は、ミスタータイヤマン大曲店の桐田 基さんが最優秀賞を獲得。ブリヂストンタイヤソリューションジャパン 札幌販売本部南営業所の細田雄介さんとタイヤサービス小牧店の石徹白裕介さんの2名が優秀賞を獲得した。
<最優秀賞を獲得した桐田 基さん(ミスタータイヤマン大曲店)>
ブリジストンタイヤソリューションジャパンでソリューション事業を担当する仲村克則専務執行役員は、運送事業者を取り巻く現在の環境について、「これまでは安全運行、経費削減が重要視されてきたが、物流の2024年問題であったり、グローバルのカーボンニュートラルを目指す動きの中で、荷主、事業者の環境対応ニーズも加わり、顧客の抱える課題は多様化、複雑化している」と説明する。このような背景から、安全運行、経費節減、業務効率化、環境負荷低減の4つの課題を「同時に解決する総合的かつ柔軟なソリューション提案を強化しているところ」という。
【関連記事】トラック最前線/運送事業者の課題を解決するブリヂストンの取り組み
<ブリジストンタイヤソリューションジャパン 仲村克則専務執行役員>
ただ、これを実現していくのには、「顧客の課題に応じた最適なソリューションを提案できる人材、高品質なメンテナンスを提供できる人材が必要」(仲村氏)だ。この技能グランプリ、ソリューションエンジニアコンテストを開催する狙いはそこにあると仲村氏はいう。
「技能グランプリは、顧客の安全運行確保に加え、正しいメンテナンスサービスの習得、継続的改善によって作業品質を向上し、ソリューションビジネスに貢献するための競技会。これによって、メンテナンスサービス品質の向上、メンテナンススタッフを指導する技能マイスター、技能エキスパートの輩出につなげている。一方、ソリューションエンジニアコンテストは、運送事業者の課題を適切に捉え、高いレベルでのソリューションが提案できる人材を育成するための競技会。これにより多様な顧客ニーズのソリューション提案力の向上、次世代のソリューション活動を担うソリューションエンジニアの輩出につなげていきたい」と意義を語った。