物流業界実態調査/人手不足の解消にデジタル化、半数が「期待せず」
2024年11月22日 15:05 / 施設・機器・IT
物流DXプラットフォーム「IKZO」を提供しているウイングアーク1st(東京都港区)が実施した「物流業界におけるデジタル化の推進実態調査」の結果、「荷待ち・荷役作業時間」の完全可視化は1割にとどまっていることがわかった。
この調査は、従業員数300名未満の中小企業で運送業務に携わる513名を対象に、今年10月にオンラインで実施したもの。
調査では「見積・受注・請求」、「配車・運行計画」、「集荷・輸送・検収」の懸念や障壁について尋ねたところ、各項目とも人手不足・人員体制との回答が約6割を占め、さらにそのうちの4割が人手不足・人員不足を理由に退職を考えたと回答。人手不足が、さらなる人手不足につながる要因となっていることがわかった。
また「荷待ち・荷役作業時間の可視化」についての質問では、「完全に可視化されている」は10.4%で、「一部のみ可視化されている」を加えても約4割にとどまった。なお、可視化の計測についてはGPSや電子タコグラフなどが約半数、手動での記録が約3割、スマホアプリなどが約3割を占めた。
一方、荷待ち・荷役作業時間短縮のために効果的な対策としては、「ドライバーの待機時間を削減する計画の見直し」が約4割、作業手順の改善、機器の導入など「荷役作業の効率化」が約3割、「バース予約システムの導入」が約2割という結果になった。
自社のデジタル化の推進状況については、かなり低い。「10%未満」とした回答が、見積・受注・請求は15.0%、配車・運行計画は16.6%、集荷・輸送・検収業務は15.2%を占めて最多。ただ、デジタル化が人手不足問題の解消に役立つと期待しているのは「非常に期待できる」、「やや期待できる」を合わせても36.7%で、「あまり期待できない」、「全く期待できない」の48.7%を大きく下回っている。
調査を実施したウイングアーク1stの加藤由貢物流プラットフォーム事業開発部部長は「今回のアンケート結果では、約6割が「期待していない・わからない」という結果になっておりデジタル化を諦めている印象がありますが、業界全体をデジタル化しない限り、今後の物流業界の進化は見込めず、人手不足やアナログ管理が解決できません」と指摘。
「まずは、今までのFAXや紙文書で運用していた業務をデジタル化することをおすすめします。例えば、荷待ち・荷役作業時間の報告もドライバーがアプリから報告するだけで、荷主の案件に実績が紐づいた管理や共有、可視化を実現できるようになります。デジタル管理の導入は、業務効率化や労働負担の軽減に寄与し、これにより業界全体の健全な成長と安定した人材確保が進むことが期待できるでしょう」と述べている。
■ウインクアーク1st「IKZO」
荷主企業向けサイトhttps://lp.wingarc.com/logistics/001
運送会社向けサイトhttps://lp.wingarc.com/logistics/002
最新ニュース
一覧- ダイハツ/東京オートサロン2026に「ハイゼットトラック PTO ダンプ 大発命」出展 (12月17日)
- 働きやすい職場認証制度/50代でキャリアカードライバーに再挑戦した女性ドライバーの事例紹介 (12月17日)
- 関東運輸局/藤田局長がラジオ「トラック王国のBoo!Boo!Boo!」12月24日出演 (12月17日)
- ロジメディカル/保有営業車両すべてに「車両衝突防止補助システム」導入 (12月17日)
- カンダホールディングス/2026年度~2028年度、車両関連に16億円投資・約150台購入 (12月17日)
- ティアフォー/台湾の自動運転スタートアップTuring Driveと資本業務提携 (12月17日)
- ドライバー職/25年11月パート・アルバイト募集時平均時給、東日本1369円・西日本1267円 (12月17日)
- 佐川急便/「クリスマスや年末年始」荷物の余裕を持った配送をお願い (12月17日)
- 栃木県トラック協会/適正化指導員による「訪問個別相談会」実施 (12月17日)
- 国土交通省など/トラック業界向け「取適法・振興法」改正ポイント説明会、来年1月19日開催 (12月17日)
- 福岡県トラック協会/適正原価管理の実現に向けた標準的運賃活用セミナー、来年1月29日開催 (12月17日)
- 北陸道/杉津PA(下り・福井方面)、12月18日に緊急工事で夜間閉鎖 (12月17日)
- 四国運輸局/10月・11月の集中監視月間、荷主・元請に13件の働きかけ実施 (12月17日)
- 国土交通省/「日本郵便」104郵便局・軽貨物自動車197両に使用停止処分(12月17日付) (12月17日)
- 中部運輸局/岐阜市のトラック事業者に事業停止30日間、車両使用停止処分160日車 (12月17日)
- 旭川開発建設部/管内の通行止め区間を全て解除(16日18時) (12月17日)
- 網走開発建設部/16日22時に全ての区間の通行止めを解除 (12月17日)
- 三菱ふそう/「スーパーグレート」新型モデルを台湾で発売 (12月16日)
- 古河ユニック/小型トラック架装用ユニックキャリア「Neo 5」「Neo EX」をモデルチェンジ (12月16日)
- トラック用タイヤ販売実績/25年11月は新車用が2ケタ増、市販用は20%減 (12月16日)





